【熊本】焼酎900MLびんのリユースを目指す意見交換会が1月20日、熊本市現代美術館で開かれ、普及の現状や課題をめぐり講演や報告、質疑応答があった。
リサイクルよりも環境負荷の少ないリユース(再利用)を進める活動は、環境省の実証事業として(社)環境生活文化機構(東京都)が、平成15年以降、南九州地域の関係者、行政、生活者と連携し取り組んできたもので、現在、鹿児島・熊本県の5社(大口酒造、神酒造、大石酒造、植園酒造、木下醸造所)が9アイテムの商品でリユース仕様の統一規格びん=Rびん(茶びん)を導入している。2005年度(4月-12月、9カ月累計)の出荷総本数は約130万本、回収総本数は約33万本で、回収率25%。主体となって事業を推進するびん商、田中商店(本社・熊本市、営業所・水俣市)の田中利和氏(水俣エコタウン協議会会長)は、「50%回収を目指す」とし、粘り強くリユースの浸透に取り組む考えだ。
当日の意見交換会では、事業評価委員会の座長を務める阪大大学院・盛岡通教授が「循環型社会の展望とリユース・モデルの意義」をテーマに基調講演を行ったあと、びん商業者、酒類流通業者なども含む委員会委員、関係の深い焼酎、びんの製造者組合、行政担当者らがリユースの意義や現状、課題について報告した。ワンウエイびんが450gなのに対し、リユースびんは480g。30g重いが、回収すればほぼ100%近く再利用できる強度があり、2回転以上の利用で二酸化炭素の排出量はワンウエイびんを下回り、また専用P箱使用で環境負荷軽減効果が高い。
熊本では市民が主体の「Rびんを広めよう会」や、政治家も巻き込む「Rびんで飲もう会」などを立ち上げ、事業の底上げを図っている。質疑応答のなかで田中氏は、「南九州240メーカーの6割が(900ML)茶びんを採用しているが、(Rびん導入が進まないのは)様子見というのが実情ではないか。規制緩和による流通変化で、使い捨て容器が主流となっている側面も強く、小売・卸サイドから声を上げていただくことが、早道になるのではないか」と語り、循環型社会へ移行する意識転換を求めた。