やまや 「酒の楽市」49店舗を継承

2008年07月03日

 【仙台】酒量販大手のやまや(本社・仙台市宮城野区、山内英靖社長)は6月25日、今年2月に経営破綻し、大阪地裁に再生手続き開始の申し立てを行っていた大阪の酒量販大手、(株)前田(本社・池田市石橋、前田貞洋社長)と事業譲渡に関する基本合意書を締結することを決議。前田が大阪府を中心に展開していた「酒の楽市」49店舗を継承する。現在の前田の従業員の雇用も確保する。事業承継に対する対価は20億円。

 今回の基本合意は、両社の経営資源を有効に活用して、(株)前田の従業員の雇用の確保と、地元の取引先との取り引きの拡大を図りながら、地域の顧客に対して一層の利便性とサービスの向上に努めることで、「酒の楽市」事業の再生と、地域の活性化に取り組むことが目的。やまやは、同社が新たに設立する子会社を承継会社とする吸収分割を実施する。

 やまやは仙台市に本社を置き、現在は東北地方を中心に関東、関西などに188店舗(2008年5月現在)を展開する。社員は678人で、現在の売上高は757億円。

 前田は大阪府池田市に本社を置き、現在は大阪府、兵庫県を中心に「酒の楽市」49店舗を展開している。社員は268人で事業承継対象となる売上高は230億円。高い専門性を武器に売り上げを伸ばしてきたが、今年2月13日に民事再生法を申請していた。