国際食品工業展(FOOMAJAPAN) 醸造関連機器も多数出展

2019年07月22日

 【東京】食品機械・装置および関連機器に関する技術の展示会「FOOMAJAPAN2019国際食品工業展」が7月9日~12日の4日間、江東区の東京ビッグサイトで開催された。

 今回の出展企業は688社で、期間中、約10万人が来場した。醸造関係の主な出展社と内容は要旨次のとおり。

 <サタケ>「醸造精米機EDB15A・40A」を展示した。同機は最適な切削作用と硬度を持った「cBN砥石」を採用することで、精度の高い扁平精米が可能となった。従来の精米機に比べ精米時間も半分以下となり、ランニングコストも削減されている。高精白になるほど高効率を実感できる仕様となっている。

 <サンシン>金沢市の醸造用品開発企業・村上商店が開発した新型自動試飲機「角打ちくん」を展開。3酒類の酒が搭載可能で、従来機より小型化され、導入しやすくなった。ほかにも、さまざまな液体を充填できる「粘体小分太」も展示した。昨今の甘酒ブームで蔵元からの引き合いが増えているという。

 <シブヤマシナリー・シブヤ精機>コンテナ内面を洗浄する「コンテナ洗浄システムTSW2000W型」の展示を行った。同機はツインドライブ機構を搭載した3次元ノズルを採用することで、少ない水量で強力な洗浄を実現した。汚れが強い箇所を重点的に洗うことができる機能も搭載しており、効率的な洗浄が行える。タンク内の洗浄にも最適なものとなっている。

 <新洋技研工業>機器の展示は行わず、「粋」をテーマに新潟県産の日本酒の試飲とおつまみのマリアージュ体験を展開した。同社関係者は「日本酒のおいしさを入口に、当社の機器に興味を持ってもらえるような企画とした。来場者からの反響も大きく、日本酒業界全体が盛り上がることを期待している」と企画の趣旨について語った。

 <第一工業>「チラーキング冷水機」と「脱酸素水システム」を組み合わせた「低温脱酸素水装置」の提案を行った。脱酸素水はカット野菜の鮮度保持、酸化防止や清酒製造における仕込水・割水などに使用されている。今回、冷水機と組み合わせることで、さらなる鮮度保持、酸化防止と抑制、発酵抑制を実現し、品質保持と向上、腐食防止を実現した。

 <塚本鑛吉商店>強力なスポットエアコン「エアー瞬間冷却機」の展示を行った。同機の特長は①ブロアエアーが同機を通過するだけで、30度Cから5度Cに瞬時に冷却②ブロアーの出口に設置するだけ③食品を冷風で冷却できる④直火で加熱する食品工場の空調に最適⑤酒造の蒸米を5度Cの空気で搬送できる――などが挙げられる。食品の冷却はもちろん、工場における職場の環境改善にも用いられている。

 <フジワラテクノアート>醸造工程ごとに同社の技術・機器を紹介する「吟醸蔵商品群」を前面に展開した。中でも、吟醸酒をレギュラー酒のように量産可能とした「FEDY回転式吟醸自動製麹装置」に注目が集まっていた。ほかにも、「粉体殺菌装置ソニックステラ」などの展示も行った。

 <ルーツ機械研究所・きた産業>日本酒やワインなどのノンガス缶商品製造機「TRON」を展開した。小規模でも導入できる手軽さで好評となっている。昨今は日本酒業界で輸出向けの缶商品開発も盛んとなっており、同機を導入する蔵元が増えているという。ほかにも、コンパクトなビール充填機「BF HEX3―1」や、小規模ワイン醸造者向けのスターター設備の展示も行った。