兵庫県酒米振興会・JA全農兵庫 愛飲者の開拓目指す

2009年02月27日

 【兵庫】兵庫県酒米振興会・JA全農兵庫は2月20日、神戸市中央区のクラウンプラザ神戸で、酒米セミナー「楽しもう!兵庫酒米が創る灘の酒」を開催した。

 同セミナーは、日本酒に興味はあるが飲むことの少ない女性を対象に、実際に飲む機会を提供し、そのおいしさを知り、あるいは見直してもらうことで、需要を掘り起こすことを目的としている。兵庫県・神戸市・西宮市などが後援し、灘五郷酒造組合が協力するもので、開催は9回目。広報媒体などでセミナー開催を知った391人から応募があり、当選した103人が参加した。

 開演のあいさつで、同会会長で兵庫県農政環境部長の伍々博一氏から、兵庫県が誇る酒米「山田錦」と、優れた醸造技術で造り出されるお酒の魅力について語られたほか、辰馬本家酒造からは希少な保湿成分「αGG(アルファジージー)」が配合された化粧品「NEO3(ネオキューブ)」のサンプルセットの配布、灘五郷酒造組合の嶋津常務からは「日本酒で乾杯推進会議」の会員募集が行われた。

 またセミナーの主な内容はきき酒と食事会で、参加者は辰馬本家酒造製造部の竹中史人研究開発室室長からきき酒の仕方などの説明を受けた後、「今回は難しい」との言葉にどよめきながら、吟醸酒・純米酒・本醸造酒・生貯蔵酒のきき酒に挑戦。「飲めば飲むほどわからなくなる」「飲みなれた銘柄ならわかるのに」と真剣な表情で用紙に答えを記入していた。その後の食事会では、「1度に種類の違う8本ものお酒を飲み比べる機会はないから嬉しい」と、テーブルに用意された吟醸酒などのお酒を飲み比べながら、おいしい料理を堪能。隣りあわせた人との談笑を楽しんだ。

 今回の参加者に日本酒が好き、あるいは興味のある理由を尋ねたところ、娘と一緒に参加しているという富山出身の女性は「子どもの頃から周りが当たり前に日本酒を飲んでいたから。今も普段から家族で飲んでいる」とのこと。またある主婦は「主人が転勤族で、一時新潟に住んでいて、その時に飲むようになった」と答え、生活圏での影響が大きいことがわかった。また、どうして普段は日本酒を飲まないかの問いには、「ワインだとランチにグラス1杯ぐらい飲んでもおしゃれでOKだけど、日本酒だと奇異の目を向けられる」と、日本酒を飲む女性のイメージモデル不在や、世間の目の不寛容さなどを話していた。

 同会上田伊津夫事務局長は、「毎回参加者から『やはり日本酒はおいしい』『料理とよくあう』『今後ともお酒を続けて飲んでいきたい』など好評を受けている。晩酌に女性が飲むなら男性も、男性が飲むなら女性もつきあい、家庭で飲んでもらえるよう需要の掘り起こしをしていきたい」と抱負を語った。