【香川】清酒や焼酎で製品の多角化を図る綾菊酒造(綾歌郡綾川町、寺嶋吉太郎社長)は、香川県で開かれている現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2010」を記念した「特別純米酒」(300ml980円)を販売している。唐辛子を漬け込んだリキュール「本鷹(ほんたか)酎」(同900円)やコメ焼酎「青い風」(同800円)も投入するなど市場の活性化に力を注いでいる。
芸術祭は「アートと海を巡る百日間の冒険」と題し、7月19日から10月末まで県内の直島・豊島(てしま)・女木島・男木島・小豆島・大島・犬島の瀬戸内7島と高松周辺を会場に開催。記念の「特別純米酒」は、デザイナー黒柳潤さんが光り輝く瀬戸の海面や照らす太陽、社名の菊の文様などを表現し、上品な黄金色のラベルに仕上げた。精米歩合60%の県産オオセトを原料に日本酒度プラス4・5、酸度1・5、アミノ酸度1・6、アルコール15度。
本鷹酎は、瀬戸内海の塩飽=しわく=諸島(丸亀市)に伝わる幻の唐辛子「香川本鷹」をコメ焼酎に漬け込み、エキス分8・7%、アルコール25度。唐辛子のカプサイシンはアドレナリンの分泌を活発にするなどダイエットや美肌効果があるといい、爽やかな飲み心地が楽しめる。原料の香川本鷹は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に参加した塩飽水軍の戦利品で同諸島や荘内半島を中心に栽培され、さやの部分が大きく辛味と旨味で珍重された。輸入品に押されて絶滅が危惧されたが、4年ほど前に地元の農家が復活させたという。
コメ焼酎「青い風」シリーズは1・8l、720mlに加え、昨年6月から300mlを投入。東京を中心に土産物用として人気を高めており、国際芸術祭の効果も見込んでいる。綾菊酒造は「特別純米酒は高コストだが、島の観光用商品として企画した。本鷹酎は直前に唐辛子を入れる飲み方をヒントにし、今後は業務用を検討したい」(宮武和俊取締役)と売れ行きに期待している。