
ビール総市場の「低価格志向」と「高付加価値志向」の2極化に伴い、サントリーのプレミアムビール「ザ・プレミアム・モルツ」が好調に推移している。同社では、好調な販売を続ける同商品の生産拠点を拡大し、京都ビール工場(京都府長岡京市調子3-1-1)でも4月から生産を開始した。今回弊紙では、好調に推移する「ザ・プレミアム・モルツ」の動向と京都ビール工場にスポットを当ててみた。
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【工場立地へのこだわり】京都ビール工場は、西日本のビール生産を担う工場として、1969年に誕生した。現在同社には、武蔵野、利根川、京都、九州熊本と全国に4つのビール工場が存在している。それぞれのビール工場がその土地に求めるもっとも大きな要素は恵まれた天然水だ。京都ビール工場では、天王山・京都西山系の天然水を使用し、おいしいビールを育んでいる。
「ザ・プレミアム・モルツ」の需要が全国的に拡大していることに伴い、武蔵野ビール工場(東京都府中市)、利根川ビール工場(群馬県邑楽郡)に加え、今回京都ビール工場でも新たに第3の生産拠点として生産を開始した。
【天然水の理由】同社はビール・発泡酒を天然水100%で仕込むことにこだわりを持っている。その理由は大きく3つある。
まず1つ目は、「天然水は、水として清浄で品質が安定している」こと。塩素処理など化学的処理を一切行っていないので、素材本来のうまさを損なうことがない。また、地下深くから採る天然水は、晴雨などの天候に左右されず、春夏秋冬、常に品質が安定している。
2つ目は、「うまさが引き立つ」。天然水に含まれるミネラル・イオンの量・バランスなどが素材のうまさを充分抽出して、えぐみを抑えてくれる。
そして3つ目は、「後味がすっきりする」。天然水を使用することによって醗酵工程で酵母をイキイキと働かせ、雑味を除くことができる。その結果。「爽快な後味」に仕上げることが可能となる。
【高まるプレミアムビールの人気】同社のまとめた「プレミアムビールレポート」によると、近年ビール市場全体が低迷する中、プレミアムビール市場は順調に推移し、ビール、発泡酒に新ジャンル飲料を加えた総市場の中で、2001年には1・7%だったシェアは、2005年には2・4%となった。ビール市場でのシェアも4・3%となり拡大している。
「ザ・プレミアム・モルツ」は、2001年に前身である「モルツ・スーパープレミアム」の家庭用缶ビールを発売して以来、販売数量を伸ばしている。特に、2003年の「ザ・プレミアム・モルツ」への刷新以降は、毎年約2割の伸長を続けている。2005年6月に世界的な酒類・食品コンテスト「モンドセレクション」ビール部門で日本初となる最高金賞を受賞したことを機に、販売数量が急増し、年間では前年比約2倍の126万ケース(大びん換算)の販売となった。
【「ザ・プレミアム・モルツ講座」の開催】同社では、京都ビール工場を含む全国4カ所のビール工場で、現在「ザ・プレミアム・モルツ講座」を実施している。
同講座は、「ザ・プレミアム・モルツ」のこだわりをとことん紹介する特別コースで、通常の工場見学だけでは知ることのできない開発秘話やおいしさの秘密を伝えるこの期間限定の特別コースとなっている。
講座では、まずビールセミナーからスタートし、VTRの上映を交え、香りのもととなる素材「ホップ」を直接手にとって香りを試すことができる。その後、原料→仕込→発酵→貯酒→ろ過→缶・びん詰といったビールが完成するまでの製造工程を見学。ひとしきり、ビールづくりを学んだのちは、直接同商品を楽しむ試飲を行う。その中では、講義形式により「ザ・プレミアム・モルツ」の楽しみ方を紹介する。
参加者からも、「アロマホップの香りを実感できた」「本当にぜいたくなビールだということを実感できた」と好評の声があがっている。
【2極化でさらに成長するプレミアムビール市場】現在、ビール総市場は、低価格の新ジャンル飲料の好調に見える「低価格志向」と、プレミアムビールの好調に見える「高付加価値志向」の両極を求める傾向が顕著となっている。「ザ・プレミアム・モルツ」をはじめとする高付加価値商品の成長により、この夏のビール総市場はさらなる活性化が期待できる。