本場で「文化深耕」、博多に銘醸蔵集い初の酒会

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 【福岡】本格焼酎の本場であり、一大消費地でもある博多で銘醸の焼酎をたん能する--。そんな酒会「博多の焼酎倶楽部」が5月12日、福岡市内のホテルであった。

 主催は、消費者を対象に、日本酒を落語など日本固有の文化とともに楽しむ会を25年間催してきた「日本の酒と食の文化を守る会」(東京、村田淳一会長)。本格焼酎を楽しむ会は昨年7月、東京で芋焼酎に絞った酒会を開いているが、九州では初の開催。酒会は西日本新聞社西日本会の後援で、「--焼酎倶楽部」会長は同会川口栄治会長が務め、今後年1回の定期開催などを予定している。

 酒会を通じ、「本格焼酎発祥の地である九州、特に大消費地で全国の発信基地でもある博多で、地元九州の焼酎と食を味わいながら、本格焼酎にかかわるさまざまな文化を深耕したい」(「--焼酎倶楽部」開催事務局=若松酒造東京本部)との思いがあり、当日は焼酎蔵15社が出展。

 芋焼酎では、「いも麹芋」国分酒造(鹿児島)、「晴耕雨読」佐多宗二商店(同)、「石蔵」白金酒造(同)、「富乃宝山」西酒造(同)、「赤兎馬」濵田酒造(同)、「若松屋」若松酒造(同)、「海」大海酒造(同)、「甕雫」京屋酒造(宮崎)、「萬年」渡邊酒造場(同)、「杜氏潤平」小玉醸造(同)、麦焼酎は「兼八」四ツ谷酒造(大分)、「閻魔」老松酒造(同)、米焼酎の「武士者」堤酒造(熊本)、そば焼酎は「天照」神楽酒造(宮崎)、黒糖焼酎は「氣」西平本家(鹿児島)--が参加。蔵元自ら出席者と会話を重ね焼酎を勧めた。
      
 酒会は3時間30分にわたる2部構成。当日は約270人が出席し、1部で三遊亭鳳楽師匠の落語を楽しみ、2部ではソムリエ木村克己氏から本格焼酎の魅力や味わい方についての話を聞いた。鳳楽師匠は庶民生活に根ざし暮らしを潤すサケの世界を噺(はなし)で描き、また木村氏は本格焼酎を“遊べるお酒”と紹介。「選ぶ楽しみと、飲み手がつくる楽しみ」を次世代や外国人にも伝えたいと語った。焼酎を原料別ではなく、酒質タイプで“モダン系”“日常系”“味わい系”“フレーバー系”に分ける提案や、割る水の質や温度、割る順序によって同じ焼酎でありながら、あらゆる料理との相性を高めることができる魅力も訴えた。

 聴講後、出席者は15蔵の焼酎を料理とともに楽しんだが、出展酒のなかには入手が難しかったり、料飲店では異常な高値で提供されるようなものも多く、蔵元との出会いに感動し、その個性で異彩を放つ焼酎を存分に楽しんだ。

 「--守る会」村田会長は酒会開催の目的について、「焼酎を普通の値段で飲んでもらえる場を提供したい」と語り、“プレミア流通”を批判。焼酎文化の最たるものは庶民のお酒であることだと断言し、ブームによって焼酎が庶民から離れていく現象に触れ、「このままでは焼酎は廃(すた)れてしまう」との懸念を抱いていたという。

(掲載日:2006年05月18日)

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