サントリー 山崎蒸留所で新蒸溜釜が初稼働、10、20年後の品質向上図る

 【京都】サントリーは、山崎・白州蒸溜所で蒸溜釜の改修を行い、初溜釜4基、再溜釜4基の計8基の新蒸溜釜を導入、本格稼動した。同社は2月2日、山崎蒸溜所で新蒸溜釜の披露記者会見を行った。

 今回の蒸溜釜改修は、同社ウイスキーのさらなる品質向上とより個性的なモルトウイスキーづくりのための生産設備改修となるもの。同社では、今回新しくなった8基を含め、合計で19基(山崎蒸溜所=初溜釜、再溜釜各6基、白州蒸溜所=初溜釜3基、再溜釜4基)と多様な蒸溜釜で、多彩なモルト原酒づくりを行っている。同社では今回の蒸溜釜改修が、10年、20年後のモルトの品質をさらに向上させ、ウイスキーファンの拡大につながると期待している。

 記者会見で阿部哲洋酒事業部長は、「今年度を“ウイスキー再生”に向けた年と位置付け、『響』『山崎』などによるプレミアム需要拡大と『角びん』『オールド』などによる家庭用需要の拡大を図っている。つくりと技をどこまでお客様に伝えることができるか、これがウイスキーを伸ばすために必要なことかと思う」と洋酒の事業方針について説明した。

 宮本博義工場長は、蒸溜釜改修概要について「当蒸溜所では1989年に大改修を行ったところ、その12年後の2003年に『山崎』がISC(イギリスの酒類国際コンペティション『インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ』)で金賞を受賞した。今回の蒸溜釜の改修で、12年後の原酒に期待している。われわれ技術者は、こうやって造りに夢を持っている」と、設備更新による品質向上とその可能性を示すとともに、「今回の改修のねらいは、サントリーの持つ多彩なモルト原酒にさらなる深みを加えることで、われわれが積み上げたノウハウをここに注ぎ込んでいる。これは、創業者・鳥井信治郎から受け継がれるスピリットといえる」と語った。

 続いて蒸溜室の見学を行い、新蒸溜釜とそこからニューポット(蒸溜釜から溜出したばかりの未熟成なモルトウイスキー)が流れる様子を披露するとともに、輿水精一チーフブレンダーによるニューポット原酒のテイスティングを行い、「山崎蒸溜所がしようとしていること、つくっているものを舌と鼻で感じてほしい」と7種の原酒をテイスティングした。

  【山崎蒸溜所・新蒸溜釜の概要】▽導入数=3セット6基▽高さ=4・3~6・3m▽容量=8~12KL▽建設期間=2005年7~12月▽材質=銅製▽メーカー=スコットランド・フォーサイズ社製

(掲載日:2006年02月09日)
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