田苑酒造(鹿児島) メセナ活動に高い評価、14年間続く酒蔵コンサート

 【鹿児島】酒蔵という独特な空間で、優しく響く音色--。14年間、酒蔵サロンコンサートを続けてきた田苑酒造(薩摩川内市樋脇町、有川徹社長)がこのほど、(社)企業メセナ協議会選出のメセナ(芸術文化支援)アワード2005で「地域文化賞」を受賞した。県内では1993年に南日本放送が音楽活動で特別賞を受賞以来2件目。県内焼酎メーカーでは初の受賞となる。表彰式は11月25日。

 コンサートは、焼酎製造・貯蔵にクラシック音楽の響きを作用させる取り組みが注目される中、音楽を通じ地域の活性化や文化向上に寄与し、企業イメージを高めるため、1992年に始めた。会場の酒蔵は、日本初の焼酎資料館として活用しているもので、1776年山鹿市で建設。1986年に同地へ移築したもので、築229年の時を刻む。毎回、国内外一流の音楽家が出演し、チケット(収容約300人)は3週間程度でソールドアウトする人気イベントとなっている。

 現在、年間に春秋2回の開催で、10月30日、第27回となるコンサートを催した。当日はフルート・川崎夏子さん、クラリネット・平山美津代さん、ピアノ・桃坂寛子さんが出演。“透明感漂う三つの調べ、重なる一つの結晶体”をテーマに、ブラームスのハンガリー舞曲集第6・5番から、赤とんぼやみかんの花咲く丘まで、全12曲、約2時間のコンサートを、約330人の来場者が楽しんだ。

 受賞の喜びを同社有川社長は次のとおり語った。「思いもかけなかったことなので、素直にとてもうれしい。社員一同喜んでいます。始めた当時は、メセナという言葉も知りませんでしたし、社会貢献や文化貢献など考えたこともなく、14年続けてきたことが結果として、地域文化の醸成や若い音楽家へのサポートとなり評価されたと思います。現在、春と秋の2回開催していますが、審査員の方々からの回数を増やす努力もしてくださいという要望も聞いていますし、今後も社員手作りのアットホームな雰囲気のコンサートをずっと続けていきたいと考えています」

(掲載日:2005年11月08日)

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