全国小売酒販組合中央会の藤田利久会長ら新執行部は6月29日、発足後初の記者会見を行い、就任の抱負と重要問題への対応などを語った。
その中で、酒販年金問題は資産の回収の可能性がある限り全力で努力するが、山積している中央会本来の政策の遂行へ真しに取り組み、「酒類小売業者の経営改善等緊急措置法」の延長など、適切な免許制度の確立、組織率の向上・酒販組合への加入促進、ビールなど市場価格の是正で、組合員が生活できるよう環境整備の推進などに注力する、と強調した。
酒販年金問題では、7月27日に全国県連会長会議を開催し、8月23日の加入者への2回目の掛金返還への対応などを決議し、加入者に対する説明会を全国11ブロックで開催すると述べた。
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藤田会長は、就任の抱負と重要問題への対応などを次のように語った。
今までの中央会の執行部と若干違うのは風通しがよい状況で、様変わりが期待されるが、今までの負の遺産を受け継いで多くの難しい問題に真剣に取り組まなければならない。
まずは酒販年金問題で、これに合わせて、国税庁当局からの業務改善勧告などへの対応は、極めて重要な課題ではあるが、年金問題については、資産の回収、調査、法的手段などを専門家に任せることが必要で、中央会本来の政策の遂行の問題が山積している。
(1)「酒類小売業者の経営改善等に関する緊急措置法」は、8月末日で期限切れとなっているので、その延長などを国会で検討していただけると期待している。まず、同法律を延長していただいた上で、免許制度の次の問題を考えたい。酒販免許制をこれだけ自由にして、清酒などが売れなくなり、酒文化がダメになっている。日本にはすみ分けというものがあり、酒販免許はこのままではよくない、と考えている。
(2)今後の大きな課題は、組織率の向上、組合加入の促進だ。ものすごい勢いで免許が増えて、組織率が相当低下している事態をなんとか改善しなければならない。唯一の公益法人である酒販組合中央会が、致酔飲料である酒類の販売管理者の研修を、国家、国民のためになる仕組みにすることが大事なので、酒販組合への非加入者の多い他の業者団体とも話し合いをしていきたい。
(3)ビールなどの市場価格問題については、1月からのビール各社のオープン価格化(新取引制度)に伴う価格設定は、当初予定された形とはだいぶ違ったものになっている。われわれ酒販組合員が仕入れているよりも、実際にはそれを下回る価格設定もあるので、ぜひこれを是正し、組合員が営業を継続し、生活ができるよう努力したい。
これに加え藤田会長は、「酒販年金問題の解明と年金資産の回収に全力をあげるとともに、中央会が抱える重要問題に真しに取り組んでいく」と、決意を表明した。
また、業務改善問題担当の春本武男副会長は、「1、2カ月のうちに、規約を見直したい。事務局の強化を図る」と語った。
当面の重要課題となる酒販年金問題について、年金担当の四十万隆副会長は、要旨次のように説明した。
年金問題を担当するにあたり、投資した債権回収は極めて難しいが、可能性がある限りは努力しなければならない。まず、年金資産の投資に係る訴訟については、143億9千万円の投資に対する運用に著しく適正を欠くことに、責任と損害賠償の問題がある。
次に、8月23日の第2回掛金返還への対応について。現在、堀弁護士が投資資金の流れ、回収の見通しなどを集中調査しており、7月末までに調査報告を受け、7月27日に全国県連会長会議を開き、第2回の掛金返還問題への対応を協議し、同日の県連会長会議を臨時総会に切り替えるか、あるいは後日に臨時総会を開くかで、掛金返還への対応を決議する。この決議に従って、年金加入者への説明会を、全国11ブロックで開催する。
また、中央会は、年金調査回収清算委員会に告訴、被訴対応関係部会を設置し、今後の情勢に対応する。
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なお、中央会は6月29日の理事会で、酒販年金資産143億9千万円の投資にかかわる運用が著しく適正を欠くとして、元専務理事と元事務局長を背任の疑いで告訴し、使途不明金1億4千万円でも、元事務局長を背任の疑いで告訴する方針を決めたが、告訴の時期は明らかにしなかった。