【広島】福山市鞆町の特産品「鞆保命酒」の蔵元4社でつくる鞆保命酒協同組合は2月8日、地元の関係者やマスコミを招いて「復元・保命酒発表会&保命酒カクテル試飲会」を開催した。
「保命酒」とは、万治2年(1659年)に大阪の漢方医だった中村吉右衛が鞆の浦に移り、16種類の生薬を漬け込んで造られた薬酒。当時は、福山藩が定めた制度で中村家が独占して製造販売を行っていたため、製法などは公開されていなかった。現在では4蔵(「ミツボシ」岡本亀太郎本店、「赤たる」八田保命酒舗、「ともえ」入江豊三郎本店、「保命酒屋」鞆酒造)で「保命酒」が造られているが、当時の製法はこれまで分からなかった。しかし、近年、福山市鞆の浦歴史民俗資料館友の会による中村家文書の解読で、16味は麹米、もち米、焼酎と13種の漢方薬を意味することが明らかとなり、今回、当時の「保命酒」復元にいたった。
鞆保命酒協同組合の岡本純夫代表理事(鞆酒造社長)は、「16種がなかなか分からず想像の域を脱し切れなかったが、記述に基づきできるだけ当時のものに近いものを使い造っていった。比較はできないが、熟成が早く味もまろやか」と復元「保命酒」を評価した。
「鞆保命酒」を使ったカクテルは、「バー・ウスケボ」(広島市)のバーテンダー山下克美さんが考案。鞆に伝わる悲恋の物語「ささやき橋」にちなんだ「ウイスパーブリッジ」と頼山陽の愛した仙酔島にちなんで「頼酔(らいすい)」と命名された。山下さんは、「広島県人でありながら鞆に来たことがなかったが、実際に町並みを見て歩いてみて感動した。『ウイスパーブリッジ』は恋愛がテーマなのでピンク。『頼酔』は鞆の景観に合わせようとブルーを出した。『保命酒』自体に赤い色が付いているため、青の色を出すのに苦労したが、出来には自信がある」と話し、近く市内のホテルなどでも飲むことができるようになるという。
今回の復元「保命酒」と「保命酒」カクテルをきっかけに、「鞆保命酒」を多くの人に知ってもらいたいと2月24日には「鞆保命酒祭2008」を開催する。代表理事の岡本氏は、「将来的には『鞆保命酒』を地域ブランドにまで育てたい」と語っていた。