味の素とカルピスが経営統合

 味の素とカルピスは、10月1日に株式交換によりカルピスを味の素の完全子会社とすることを決定し、株式交換契約を締結した。

 味の素グループでは、飲料事業について従来からカルピスとの提携関係を基本として事業展開を行ってきたが、健康価値を持つ飲料市場が成長していること、ならびにアジア市場などでの飲料事業拡大の可能性を踏まえ、カルピスの完全子会社化により経営の一体化、経営資源の効率的運用を行うことで、消費者により価値の高い製品を提供することが可能になると判断した。同グループの中長期経営計画「A-dvance10」の中で、健康事業を成長の柱の一つに掲げているが、カルピスが持つ健康イメージのあるブランド、飲料事業基盤および乳酸菌・微生物活用技術が、味の素グループの健康事業の拡大に資すると同社では考えている。

 一方カルピスは、3カ年中期経営計画(2005年-2007年)で「乳性飲料」と「健康機能性飲料・食品」のグローバル展開による付加価値型企業の実現を目標に、企業価値の向上を目指している中で、味の素との資本関係強化によって、味の素の事業基盤をこれまで以上に活用することが可能になり、カルピスのさらなる成長に資すると判断した。

 味の素とカルピスは、1990年に味の素がカルピスの筆頭株主となって以来、良好な業務提携関係を維持してきた。両社は飲料事業の統合、味の素による総発売元機能の提供以外にも、タイ、インドネシアでの飲料分野での合弁事業などを推進しており、昨年からは“健康”を軸にした「乳酸菌×アミノ酸」の新たなプロジェクトをスタートしている。

 これら両社の長年の信頼関係を背景として、本株式交換により、近年の急速な市場環境の変化に対応し、両社で長期ビジョン・戦略の共有化を行い経営の意思決定をスピードアップするとともに、効果的に両社の経営資源を戦略分野に投入していくことが可能となる。さらに両社は、アミノ酸・乳酸菌等微生物活用技術および両社が有するその他経営資源を共有・活用していくことで健康価値のある製品・サービスの提供を拡大、加速していく。また、広く海外への展開も視野に入れることで、消費者の“食”と“健康”に貢献する企業グループを目指していく。

 カルピスの完全子会社化により、両社は以下のようなシナジーを想定している。

 (1)健康機能性飲料・食品分野での協業=カルピスの乳酸菌・微生物活用技術と、味の素のアミノ酸技術およびそのほかの健康素材を活用し、新たな健康食品、健康飲料の製品開発を行うとともに、カルピスの健康飲料事業の強化を図る。

 (2)海外事業での協業=味の素が保有する事業基盤を活用し、アジア諸国を中心にカルピスの海外飲料事業、健康飲料事業、微生物活用事業の早期拡大を図る。

 (3)研究開発=カルピスの得意とする乳酸菌発酵技術および有用物質を利用した研究に対し、味の素の得意とするアミノ酸に関する技術、健康素材の探索・評価技術を活用し新素材、新規技術の確立を目指す。

 (4)カルピスブランドの活用=カルピスブランドの健康イメージおよび乳幼児、子供、若年層への高いブランド浸透を踏まえ、飲料のみならず食品分野へのブランドの拡大を図る。

 (5)カルピス既存事業の強化=カルピスの経営資源に味の素の経営資源を加えることにより、カルピスの既存事業の強化を図る。

 (6)統合による共通経費削減=両社の営業経費、物流経費、調達コスト、管理部門コストなどの見直しを行い、最適なコスト体制を確立する。

 これらのシナジーの早期実現に向け、両社によるシナジー検討委員会を発足し、具体的に検討していく。

 本株式交換により、カルピスは味の素の完全子会社となるが、カルピスは独立の株式会社として存続し、味の素グループにおける国内外の飲料事業の中核企業として位置づけられ、当面は現経営陣による経営体制を維持していく。

(掲載日:2007年06月18日)

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