来年度税制改正で、酒税改正・酒税増税が強行されるのを危ぐしている酒類業界の中で、国産ワイン業界は、ワインの増税を強く懸念、警戒感を高めており、増税を受け入れる余裕など全くない、として、税制当局に要望するとともに、醸造酒間の同種・同等・同負担論への反論などの主張をはじめた。その要旨は次のとおり。
(1)果実酒の課税出荷数量の推移は、平成10年度をピークとして、国産品と輸入品の合計数量はほぼ漸減傾向にあり、厳しい状況の中、果実酒課税移出数量中の国産・輸入品のシェアは、平成15年度では国産36%(8万9千KL)、輸入64%(15万9千KL)の状況で、国産のシェアが低下傾向にある。また、国産ワイン業界は中小企業が多く、租税特別措置法87条による酒税軽減措置の適用を受ける業者が94%を占める現状下にあり、国産ワイン業界にワインの酒税増税を受け入れる余裕は皆無。
(2)ワインの酒税を増税しようとする主な理由を、「同種・同等のものには同様の負担」が必要(平成14・15年度政府税制調査会答申)や、「清酒とワイン間などの税率格差の是正」が緊急課題(平成14・15年度与党税制改正大綱)とし、清酒とワイン間の税率格差を4分の1縮小が平成15年5月1日から実施された。その後、平成17年度政府税制調査会答申で「酒類の分類の簡素化、酒類間の税率格差の縮小」が指摘され、平成17年度与党税制改正大綱でも「酒類間の税率格差の縮小、酒の分類の簡素化」がうたわれているが、しかし果たして本当にそうなのか。
(3)ワインと清酒は同種・同等のものではない。同種とは「同じ種類」のことをいうのであって、原料も製造方法も異なるワインと清酒がどうして同種なのか。同等とは、等級・程度の同じであることをいうのが普通であり、課税出荷数量では国産ワインが全酒類中のわずか1%であるのに対し、清酒は9%。成人一人あたり消費数量も、国産ワインが0・94Lに対し、清酒は8・89Lで、ワインと清酒が同等でないことは明らかだ。
(4)醸造酒間の酒税率を同一にする理由は見当たらない。ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒の酒税は、アルコール度数課税が世界的な傾向といえるが、ビール、ワイン、清酒などの醸造酒の酒税は、各国の酒の歴史、文化、消費形態などによっていろいろと差があるのが実情だ。