【沖縄】「われわれ泡盛業界にとって、無上の喜び」(沖縄県酒造組合連合会・佐久本武会長)--。日本酒造組合中央会(辰馬章夫会長)の第56回通常総会が6月12日、沖縄県宜野湾市のラグナガーデンホテルであった。同県での開催は、戦前戦後を通じ初。単式蒸留焼酎主産地としても初の開催県となった。議案審議では「沖縄宣言」=別掲=を満場一致で採択。伝統民族酒である國酒(日本酒、本格焼酎・泡盛)の製造業者が「國酒として誇りうる酒造り」を行う決意を表明し、法制において國酒たる明確な位置づけを求めた。
総会には全国約400人の会員が出席。来賓として、仲井眞弘多沖縄県知事(代理・同県副知事・仲里全輝氏)、与謝野馨財務大臣(代理・財務副大臣・竹下亘氏)、国税庁・岡本佳郎次長、独立行政法人酒類総合研究所・平松順一理事長、酒類業中央団体連絡協議会の幹事組合・日本洋酒酒造組合の相場康則理事長(代理・同組合下村芳夫専務理事)が臨席した。
同日現在、議決権数は47都道府県1956。<今年3月5日開催第3回臨時総会時における議決権数は1979(清酒1690、単式蒸留しようちゆう275、みりん二種14>
沖縄県佐久本会長は、「沖縄はわが国唯一の亜熱帯地域県で自然環境に恵まれ、琉球王国としての歴史的文化的側面から独自の伝統工芸、芸能、料理、そして琉球泡盛を有している。当県の風土にしっかりと触れていただき、沖縄の明るさ、元気さを感じてもらえれば幸いに思う」と歓迎の辞。
中央会辰馬会長はあいさつのなかで、「品位品格の酒造りにまい進しなければならない」と強調。「昨年9月5日に発生したMA米事故米穀の不正規流通事件」については、「業界に大きな憤りと苦悩をもたらした」と断じた。今年3月の原料米差し替えを伴う加害者からの裏金受取り問題に対しては、「日本文化の担い手である日本酒の製造業者にあってはならない不正行為であり、誠に遺憾」だとして一層感情を露わにした。
酒税に関しては、特例的時限的な負担調整措置の恒久化を強く求め、「酒は文化」との観点から制度の全般的見直しを要請。加工用米については、現行制度が平成22年度以降になくなることから、それに相当する制度創設を要望するとした。
議案審議では平成20年度事業・決算報告が承認されたのち、泡盛の國酒たるゆえんも盛った「沖縄宣言」(案)を、起草者の中央会淺見敏彦副会長が朗読。満場一致で採択した。
総会では、来賓を代表し仲里沖縄県副知事、竹下財務副大臣、下村日本洋酒酒造組合専務理事が祝辞を述べた。
竹下財務副大臣は、与謝野財務大臣の祝辞を次のとおり代読。「消費者の食品の安全安心に対する関心は高く、適切な表示などを通じ、その信頼に応えることが求められている。日本酒造組合中央会においても、このような時代の要請を踏まえて、適切な業務運営に努めることを強く希望する。清酒業界においては日本酒で乾杯運動の推進、独立行政法人酒類総合研究所との共催による全国新酒鑑評会公開きき酒会の開催、さらには海外イベントの開催など需要振興のため、さまざまな事業に取り組んでいると聞いている。これらの事業を効果的に実施するとともに、量から質への転換を図っていくことを期待している。また開催地・沖縄の特産である泡盛を含む単式蒸留焼酎業界においては、業界が一丸となって需要振興に努めてきた結果、消費者から根強い支持を受けている。今後とも経営環境の変化に適切に対応していくことを期待している。当局としても引き続き、公正取引の確保のため、取引状況等実態調査の実施に努めるとともに、酒類の安全性の確保、品質水準の向上など、消費者の視点に立って酒類業界が健全に発展するよう積極的に取り組んでいく所存である。最後に皆様には創意工夫を凝らした企業経営と、より良い酒造りに努め、わが国古来の伝統を守り育てることを心から願う」。
さらに生家が造り酒屋、兄が総理大臣だった竹下氏は、業界に対し自らの言葉で語った。「酒が担税物資であることは今も変わらないが、税という観点だけから、日本酒なり泡盛なり本格焼酎なり、民族の酒を捉えているのは間違いであろう。民族の酒は民族が守るという、その思い、あるいはその気持ち、心意気を政治のなかでも、また国民生活のなかでも、しっかりと持ち続けることが、民族の酒、文化をしっかりと引き継いでいくことにつながると確信している。私ども政治のサイド、さらには財務省としても、本当に全面的に支援することを約束する」。