主原料の大豆の価格高騰の直撃を受けて対応に苦慮している醤油、味噌、豆腐、納豆の生産4団体はこのほど記者会見を行い、企業の存続に対する危機感の高まりと、その打開のため大豆加工食品の値上げが必要になっている、として各業界の著しい苦境を訴え、消費者・流通業界に対して理解を要請した。
この記者会見では全国醤油工業協同組合連合会会長・武田與光(よしみつ)氏、全国味噌工業協同組合連合会会長・山本弘樹氏、日本豆腐協会会長・村上豊氏、全国納豆協同組合連合会会長・笹沼隆史氏らが、大豆加工食品業界の深刻な現状を次のとおり訴えた。
■製造原価高騰の現況■
(1)大豆生産国は昨年から石油代替燃料の一部転換をバイオエタノール、バイオディーゼルに求め、作付けを大豆からトウモロコシに転換しており、大豆相場が高騰しているだけでなく、小麦など穀物全体の国際価格が暴騰している。また、わが国の食品大豆はすべて非遺伝子組み換え大豆を使用しているが、米国では平成17年産は約91%が遺伝子組み換え大豆の作付けになっている。このようにNon-GMO(非遺伝子組み換え)大豆の生産は少なくなっており、高いプレミアムをつけて数量を確保する状況にあり、今後の原料大豆の価格は高値で推移することが見込まれる。
(2)石油・重油・石油製品は平成16年より高騰しており、燃料費、配送費、容器・包装費が数回にわたって高騰している。
(3)商品に対する安心・安全などにかかわる生産体制の整備や衛生施設の拡充と管理を徹底するための経費などが増加。
このように、大豆加工食品は食卓に欠くことのできない重要な役割を担っているが、現在の販売状況を続けていけば企業の安定的経営を維持していくことが困難となり、供給に支障をきたす結果が懸念される。
武田氏は「醤油業界は全国で1600社と大手メーカー5社で構成されている。原料事情は各社同様で大豆と小麦なども値上がりしていて、醤油は今後値上げが必要視されており、平均10%、規模によっては20%程度の価格改訂とされている。コスト高を転嫁出来なかったらどうなるかを強く懸念しているので、何としても価格改訂の実現に理解願いたい」と訴求し、山本氏も「味噌も原料事情が同様であるし、損益分岐点が著しく悪化しているので、価格改訂を個々のメーカーが検討しており、8%~15%、平均10%程度の値上げが必要とされる」と語っていた。