【福岡】日本酒アピールのキーワードは“元気”--。6月24日、北九州市内のホテルで「全国新酒鑑評会金賞酒と『ひらしま酒店』オリジナル酒を楽しむ会」が開かれた。酒販店「全国地酒処・大蔵ひらしま酒店」(北九州市八幡東区羽衣町22-10、平嶋雄三郎代表)を事務局に、地酒愛好家が集う「北九州酒仙の会」が毎年催している酒会で、今年で21回目。全国100の金賞受賞蔵の金賞酒・金賞酒同等酒100銘柄と、同店オリジナル酒約40種のうち日本酒約30種がそろい、日本酒ファンや料飲店関係者ら約200人の来場者が利き酒や酒宴を楽しんだ。全国から21の蔵元も駆けつけ、飲み手と造り手が交流を深める場ともなった。
一堂にそろった金賞酒に来場者は興奮気味。利き酒を繰り返しては、造りの凄みを感じ、感想を語る言葉も熱い。成田空港の免税店で販売されているブランドもあるオリジナル酒は個性の塊。造り手の思い、日本酒の奥深い魅力にも触れた。だれもが知る幻銘柄の利き当てにも挑戦。酒宴では、ハープの演奏もあり、全国津々浦々の地酒との出会い、蔵元との会話を楽しんだ。大分の料飲店主だという男性は、「ここに来れば、蔵元さんとお話しできる。懐かしい人にも会える。それがうれしい」と語った。
開宴の乾杯は、今年も仕込み水で行った。体にやさしい飲み方の啓もうはもとより、「口が洗われ、食べ物も飲み物もおいしくなる」から。「手元に水のグラスがあるので、途中で『水』と頼まなくてもいいので、座がシラケずにすむ」との気配りも含む提案だ。
酒会は昨年、20回開催の節目を迎えた。ひらしま酒店代表の平嶋さんは、「次の20年を目指す再出発の年」だという思いで会に臨んだ。酒仙の会会長も交代。会の事務局も、子息の洋一郎氏に引き継いだ。会が続いたのは、「たからなかったから」だと振り返る。そろえる酒は買い取り。消費者への利益還元のためには、会運営収支の赤字もいとわない。
同店は大正14年創業。昭和54年、地元の百貨店、黒崎そごうで地酒に出会い「目からウロコ」。以来、良い地酒を求め全国行脚。品質管理に気を配り、15坪の店舗は常時20度以下。紫外線カットも徹底する。冷蔵・冷房倉庫は100坪に及ぶ。ギャラリーは無料開放。平成5年には優れた商店を表彰する農林水産大臣賞も受賞した。日ごろの商いでは、オリジナル通い袋も販売中。「レジ袋をなくし、子孫に資源を残す」運動も引っ張る。
「元気を出せば運がついてくる、商いもうまくいく」というのが持論。酒会のしおりでも“元気が一番”と訴えた。醸造酒の強みは、「ストレートに味を感じることができる」こと。蔵元にも元気を出してほしい。ある若手の蔵元は意をくむように自己紹介した。「お酒を飲んでいただける幸せを感じながら、酒造りをしていきたい」。