【福岡】酒蔵が醸す独特な雰囲気のなかで、蔵出しの酒を楽しんでもらうイベントが2月11日、城島、久留米、浮羽など福岡県南部、筑後川流域の酒どころであった。酒以外の特産品をアピールするなど、地域おこしにも寄与するまつりとして定着し、酒蔵は終日、酒の魅力を満喫する多くの来場者でにぎわった。
“城島酒蔵びらき”には約2万5000人が来場。参加蔵元は城島地区、久留米市城島町の4蔵(筑紫の誉、花の露、比翼鶴、有薫)、同市三潴町の4蔵(旭菊、池亀、萬年亀、杜の蔵)の計8蔵で、来場者はシャトルバスで蔵めぐりを楽しんだほか、メイン会場の城島総合文化センターでは、飲み比べ企画や、立ち飲みスタイルの角打ちで、“筑後の酒”をたん能した。
会場では、筑後酒造り唄が披露され、酒種あんぱんなどの物産品も販売された。槽汲(ふなぐ)みを模した手作りの容器で酒を提供する蔵元や、地元の一押し商品を勧める酒販店もあり、生販業者の趣向を凝らしたブースも目立った。
イベントは久留米市・城島町商工会などが後援。特に西鉄(西日本鉄道)グループとのタイアップで集客を高めた。福岡市の中心街、天神と三潴を結ぶ“酒蔵直行列車・城島号”も運行した。
主催の城島酒蔵びらき実行委員会委員長を務めた冨安拓良氏(「花の露」醸造元・冨安本家酒造専務)は、「城島は酒どころだとお客さんの方が思ってくれている。これはとても有り難いことで、先人が築いた財産を生かしていきたい。近くに8つも蔵のあるロケーションを楽しんでもらいたい」と語り、今後も城島の酒、その酒をはぐくむ城島というまちをアピールしていく考えだ。
同日、久留米市善導寺町の朝凪酒造(「朝凪」醸造元、久保山泰社長)でも恒例の蔵開きイベントを開催。“朝凪亭”なるスペースは、さながら屋台が並ぶ風情で、ヤマメや殻つきカキの塩焼きなど垂涎の酒の肴が揃い、酒を竹に入れて温める“かっぽ酒”にも左党の列ができた。JRの博多・善導寺間を運行し、車中での酒宴も楽しみな酒蔵列車の企画は、3年目。蔵ではもちつきを囲み歓声が上がり、目の前のタンクから注がれる酒が笑顔を醸した。
うきは市浮羽町のいそのさわ(「いそのさわ」醸造元、高木泰三朗社長)は例年、福引抽選に長蛇の列ができる。金ぱく入り清酒などの当たりを知らせる鐘の連打が続いた。試飲はもとより、綿菓子などは無料で配られ、猿回しのショーやフォーク、ロックのバンド演奏もあり、家族連れで終日楽しめるイベントとなった。特産品のブースも充実し、酒蒸しまんじゅうが蒸し上がるたびに、買い求める来場者の表情がほころんだ。