サッポロビール 那須工場が本格稼動 新価値提案商品を発売

2007年11月06日

 【栃木】サッポロビールは、7番目のビール製造工場となる那須工場(栃木県那須郡那須町)を10月26日から本格稼動した。これに伴い同25日、同工場にて福永勝社長らが出席し、同工場の戦略的位置付けや新商品、地域貢献策について記者会見を行った。

 冒頭あいさつに立った福永社長は、「那須工場は、銀河高原ビールから那須ビール園の製造設備を譲り受けたもので、今月から稼動を開始する。当工場の位置付けは、既存工場に比べ1回の仕込み量が少なく、小ロット商品・高付加価値商品など小回りの利く工場として新価値提案商品を市場に届けることが可能となっている。今回、新価値提案商品の第一弾として、無ろ過の樽生ビール『プレミアムホワイト白穂乃香(しろほのか)』を発売する。当工場ならではの商品として、多くの人に飲んでもらいたい。また、工場に併設するレストランの開業を来年度から予定しており、年間20万人の来客数を見込んでいる。当社では当工場を、サッポロビールの象徴的な場所として、いろいろなことに取り組んでいきたい」と同工場の位置付けについて説明した。

 続いてサッポロブランド戦略部の神谷聡一第1ブランドグループリーダーは、新価値提案商品第一弾「白穂乃香」について、「外食の多様化の中で、消費の二極化により高価格市場の間口が広がっている。当社では、業務用市場の新しい切り口の商品提案として、今回『白穂乃香』をエリア限定発売する。当社では、『今までになかった特別なビールをつくりたい』との思いのもと、“1”明確な違いがあり差別化が分かりやすい“2”消費者のニーズをとらえている“3”メーカー側、販売側すべてにとって利益商材である――をコンセプトに今回の新製品を開発した。同商品は、生きた酵母が入ったビールを最高の状態で飲んでもらうために、酒販店・飲食店と品質管理保持契約を締結。両者によって最高の品質を保ってもらう商品となっている」とブランド戦略を語った。

 さらにサッポロライオンの山崎範夫代表取締役社長は、工場併設のレストランについて、「来店してもらったお客様が、豊かな自然の中で楽しんでもらえるようなお店にしたい。店の形態は、ビュッフェスタイルのレストランを予定しており、那須の特産品を使用したフードと当工場製造のビールといった地元産にこだわったメニューを提供したい」とオープンによる地域貢献を説明した。