サッポロビール 大阪工場の製造停止を決定

2007年06月08日

 【大阪】サッポロビールは、生産効率の向上と多様化するニーズに対応する商品開発力・生産力の強化、さらには損益分岐点引き下げによる収益力強化を目的として生産体制の見直しを行い、その一環として老朽化した大阪工場の製造停止を決定した。

 6月1日に行った記者会見の中で、井内繁俊執行役員近畿圏本部長は生産体制見直しの必要性について、「生産効率の向上」「新価値提案力強化」「損益分岐点引下げによる収益力強化」の3点を強調するとともに、「このたび生産体制の見直しに伴い、大阪工場を来年3月末で閉鎖することを決定した。同工場は、昭和36年操業以来、半世紀にわたり当社商品の供給面を支え続けてきた。主に大びん、小びんなどをメインに製造していたが、現在求められる多品種少量という生産体制には不向きになっていた。さらに老朽化が進んでいたこともあり、今回閉鎖を決定した。現段階では跡地利用については決定していない」と説明した。

 同社では、生産体制見直しの具体策として、“1”2006年11月に銀河高原ビール社から譲り受けた那須ビール園の設備に、既存小ロット商品の生産を集約し、那須工場として今年10月から本稼動、新価値提案商品の生産拠点と位置づける“2”静岡工場では約60億円、千葉工場では約16億円を投じ、生産性向上のための設備工事に着手“3”大阪工場の製造停止――などに取り組んでいる。

 これらの生産体制見直しにより、同社の生産能力は「114万kl」から「97万kl」となり、操業度は「71%」から「88%」に改善する予定(いずれも2006年実績と2009年予想の比較)。コスト削減効果は年間で12億円程度になるものと試算している。

 【大阪工場概要】▽住所=大阪府茨木市岩倉町2-1▽敷地面積=12万平方m▽製造能力=16万8000kl▽建物・設備等薄価=79億円(平成18年度末)▽製造停止時期=平成20年3月末