飯田グループが創業百周年

2023年06月05日

 【大阪】飯田グループが大正12年(1923年6月26日)の創業以来、100年を迎えた。

 大阪府八尾市安中町1―1―29の現在地において、初代社長の飯田弟一氏が酒類販売業を開業した。厳しい統制時代を経て昭和25年再発足し、早くから酒類食品を中心に多様な事業を展開して現在に至る。2代目社長は現社長の母、飯田祐子氏が就任し、日本経済が浮足立った時代にあって堅実経営に徹してきた。2002年に現、飯田豊彦氏が社長を引き継ぎ、今年で21年目を迎えた。資本金5900万円。売上高350億円(2023年2月期)。

 規制緩和で酒の販売が組織小売業に移っていく中で、㈱飯田は独立系酒類小売店および業務用酒販店との取り引きを中心にして、かつ多角化経営で前進してきた。日本酒・輸入ワイン・日本ワイン・クラフトビール・食品の専門卸~酒類専門性のさらなる追求と機能強化(物流・商品力・提案力)を図っている。

 卸売業として価値共創型の専門卸として、中間流通の役割を担い、商品を流通させるだけではなく、生産者と消費者に紐づく情報を循環させ、新たな価値創造を目指してきた。その実現の為には、マーケットの架け橋となり、飲食シーンをより豊かにできるようサポートしている。

 日本酒は自社蔵・長龍酒造(奈良県広陵町)を持ち、現在は名酒・綾菊酒造(香川県綾歌町)も傘下。原料米関係では、飯田商事(酒造好適米、醸造用原料米他)、徳島製麹(乾燥麹)、新中野工業(醸造用精米機の製造販売)、九州豊和(委託精米他)、新潟酒米精米(委託精米他)などがある。その他、新日本流通(6本P箱レンタル&リユースシステム)などがグループ関連会社。

 100年を迎え飯田社長は「日本酒業界では300年、400年と続く会社がある中で、私どもはいつまでも新参者の会社だと思っている。会社30年という説もあるが、30年は事業継続の分かれ目であって、大きく変わる社会にあって、これからも対応し変化し続けていきたい。多様な事業を展開しているが、酒のある豊かな生活を演出しながら、互いに協力しあい、さまざまなアイデアとシナジー効果で特徴あるグループ企業に成長していきたい。経営理念は『三方よしの経営』。知恵を絞り、汗を流して、ひとりひとりの社員が成長することでより発展していく会社にしていきたい」と次の100年を目指して決意を語った。