【広島】中国醸造(廿日市市桜尾、白井龍一郎社長)はギャバ(γ-アミノ酪酸)を多く含んだ梅酒「ギャバリッチ梅酒」を6月2日から全国で発売する。5月22日には広島市内で記者会見を開き、同社・常務取締役営業本部長の白井敬司氏、営業企画部部長の吉村圭司氏、商品開発室の丸山昌史氏(薬学博士)、営業企画部の竹内慎吾氏らが商品の概要について説明した。
ギャバは自然界に広く分布するアミノ酸の一種で、醸造産物にも多く含まれていると言われている。健康維持やリラックスさせる成分として注目され、近年、その活用法が盛んに研究されている。
同社は、広島大学と共同開発プロジェクトを発足させており、これまでも入浴用化粧品「シスポ」や化粧石鹸「和風美人」など酒粕の有効成分を活用したヘルスケア商品を発売してきたが、今回の商品は、広島大学のバイオ技術と同社の酒類製造技術、発酵技術を融合させた商品となる。
同商品には、通常の清酒の10倍、梅酒の5倍(同社比)のギャバが含まれており「ここまでギャバが多く含まれたお酒は日本初」(白井常務)。100ML中に50mgのギャバが含まれており、高血圧、成人病などに予防効果が期待される一日のギャバ摂取量20mgをはるかに上回る。また、商品化に際し、従来の梅酒に比べカロリーを30%オフ(同社比)、疲労回復に効果があるクエン酸を20%アップ(同)させ、美容・健康をさらに訴える商品に仕上げた。
商品開発を行った丸山氏は、「当社が製造するギャバ液は、最初に広島県産の温州みかん果汁を特定条件下で乳酸発酵させギャバ高含有の発酵みかん果汁を造り、それをアルコール応用技術で安定化し高濃度ギャバ液を抽出している。発酵技術やアルコール応用技術は当社の得意とする分野。トータルで製造できるためコストパフォーマンスにも優れている」と説明した。
同商品は幅広い年齢層の女性をターゲットに初年度年間4万ケース(720ML×6本)を目標。全国の酒販店、CVS、量販店、ドラッグストアなどへアプローチするとともに、百貨店などにも発信する。梅酒という成長分野への商品投入で売り先の新規獲得につなげ、他の商品にも派生させていきたい考えだ。
同社では、今回の商品化の過程で生まれたギャバ濃縮液を「食品メーカーや健康志向の料飲店、家庭向けに販売していきたい」とし、新たな分野にも進出。すでに2社と話を進めていることを明らかにした。また、ギャバ関連商品を年内にも追加投入する計画で、「健康で楽しい毎日のための商品を開発する」方針だ。720ML初回出荷分には入浴剤を首掛けする。
【ギャバリッチ梅酒】▽アルコール度=10%▽容量=300ML、720ML▽希望小売価格(税別)=476円、952円