国税庁清酒の製造状況発表 清酒製造場は1139場に

2023年05月22日

 国税庁は、令和3酒造年度の「清酒の製造状況等について」をまとめ公表した。この調査は、個々の清酒製造業者の清酒製造状況を分析し、各国税局鑑定官室の諸施策に活用することで、清酒の品質確保に資するとともに、日本国内における清酒の製造および製造に関連する事項の実態を把握した上で、国税庁の行う各種の施策を通じて、清酒製造業の発達改善に資することを目的としている。調査対象期間は、令和3酒造年度(令和3年7月1日~令和4年6月30日)で、調査対象者は、清酒の製造免許を有する酒類製造者。調査表は清酒製造場または蔵置場ごとに提出している。

 調査対象場数(蔵置場を含む)1762場のうち、回答場数は1544場(回収率87・6%)となり、令和2酒造年度調査と比較して28場減少した。

 回答場数のうち、令和3酒造年度において清酒を製造した場数は1139場で、令和2酒造年度調査と比較して20場減少した。

 製造方法別の製造場数は、特定名称清酒は、純米酒977場(前年度986場)、純米吟醸酒1055場(同1057場)、吟醸酒700場(同732場)、本醸造酒623場(同646場)となり、一般酒は703場(同709場)となった。

 令和3酒造年度における清酒の製造数量(アルコール分20度換算数量)は、30万913㎘(対前年度比0・6%減)となった。そのうち、特定名称清酒の製造数量は、13万1059㎘対前年度比(9・3%増)となった。特定名称清酒の製造方法別の製造数量を前年度と比較すると、純米酒は対前年度比14・1%増、純米吟醸酒は同10・4%増、吟醸酒は同9・3%増、本醸造酒は同3%減となり、本醸造酒のみ前年を下回った。

 製造数量のうち、昨年は特定名称清酒の構成比が減少する傾向となったが、今年度は上昇した。

 令和3酒造年度における清酒用原料米は、玄米としては18万4099t(対前年度比2・3%増)となり、年々減少傾向にあったが今年度は増加した。一方、白米としては11万6852t(同1・3%増)が使用され、昨年を上回った。平均精米歩合は62・5%(前年度63・4%)となり、純米酒、純米吟醸酒は前年並みとなったが、吟醸酒で増加。本醸造酒、一般酒では低下した。

 令和3酒造年度の清酒製造に使用された原料用アルコールの数量(アルコール分100度換算数量)は1万6169㎘(対前年度比5・7%減)となり、近年、減少傾向は続いている。また、白米1t当たりに換算すると138・4ℓ(同6・9%減)となり、白米1t当たりの使用数量は昨年増加したが、今年度は減少した。