文化審議会無形文化遺産部会 「伝統的酒造り」を選定

2023年03月13日

文化審議会無形文化遺産部会は3月8日、「伝統的酒造り」を今年度のユネスコ無形文化遺産(人類の無形文化遺産の代表的な一覧表)の提案候補として選定した。「伝統的酒造り」の提案については、無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議で審議の上、了承を得られれば、3月末にユネスコに提案書を提出する予定となる。

日本のユネスコ無形文化遺産の審査は現在2年に1件となっており、「伝統的酒造り」は昨年度ユネスコ事務局に提案したものの審査が見送られたことから、今年度改めて提案書を提出するもの。3月末までにユネスコ事務局に提案書を提出し、令和6年10月頃に評価機関による勧告が行われ、令和6年11月頃に政府間委員会において審議。決定される見込み。

ユネスコ無形文化遺産への登録は、無形文化遺産の保護や重要性、相互評価の重要性に関する意識の向上を目的に行われている。日本では現在までに、「能楽」や「人形浄瑠璃文楽」「歌舞伎」などが登録されており、2013年(平成25年)には「和食・日本人の伝統的な食文化」も登録されるなど、現在までに22件(世界全体では567件)が登録されている。

毎年、全世界の無形文化遺産保護条約締結国から多くの申請があることから、現在では審査件数を年約60件と制限され、さらに無形文化遺産の登録がない国の審査が優先されることから、日本の審査は2年に1回となっている。

【伝統的酒造り】
杜氏・蔵人などが、こうじ菌を用い、日本各地の気候風土に合わせて、経験に基づき築き上げてきた伝統的な酒造り技術(日本酒、焼酎、泡盛等を造る)