国内ビールメーカー4社(アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリー)およびビール酒造組合は、コスト削減および環境負荷軽減に向けた新たな取り組みとして、ビール工場などから商品を出荷する際に使用する「パレット」の回収促進について、12月1日から共同で取り組んでいる。
パレットは、得意先への商品配送後に回収し、繰り返し使用するものだが、流通過程における滞留や紛失、および流通外への流出などが発生している。これにより、商品出荷に必要なパレットが不足することから、新たなパレットを追加投入することとなり、これがビール各社にとってさらなるコスト増と、パレット製造に伴うCO2排出に繋がっているため、4社で対策を検討してきた。
今回、物流パレットのマネジメントに高いノウハウを持つ日本パレットレンタル(株)のグループ会社であるRTIマネジメント(株)に回収促進業務を共同で委託し、パレットの適正な使用を推進することで、4社合計で年間約5万枚の未回収パレットの回収促進を図っていく。これは4社が毎年新たに投入するパレット枚数の13%にあたり、年間で約3億円のコスト削減につながるとともに、約1600tのCO2削減も見込まれている。
ビール各社は、市場では公正な競争を展開する一方で、「競争と協調」の視点を共有し、物流部門の効率化に共同で取り組むことで、業界をあげてさらなるコスト削減を推進するとともに、環境負荷の低減にも貢献していく。
【共同取り組みの概要】▽取り組み内容=ビールパレットの適正使用の推進と回収促進に向けた共同取り組み▽委託先=RTIマネジメント(株)(東京都中央区日本橋茅場町2-13-11国際ビル)▽委託内容=“1”ビールパレットの正しい運用方法の周知“2”ビールパレット利用状況の実態調査と目的外使用の改善に向けた交渉“3”通常のパレット回収ルートから流出したビールパレットの回収▽開始日=2008年12月1日