【兵庫】兵庫県酒米振興会は2月24日、兵庫県で開発された酒造好適米と産地をPRするとともに、兵庫県内の酒蔵で醸された日本酒の味わいを県内の一般消費者へ幅広く伝え、消費拡大につなげることを目的に、「兵庫県産酒米で醸した日本酒を楽しむ会」を神戸市中央区のホテルオークラ神戸で開催し、約230人が参加した。
同イベントは、兵庫県酒米研究グループ代表の池上勝氏を講師に招き、兵庫県産酒米について学ぶ「酒米セミナー&きき酒選手権」、実際に兵庫県産の日本酒を味わう「日本酒と地元食材とのマリアージュ」の2部構成で開催した。日本酒に詳しいタレントの吉川亜樹さんが司会進行に立ち、会場を盛り上げた。
池上氏はセミナーの中で、兵庫県加東市にある酒米試験地の紹介や酒米の特長をスライドを交えて講演し、「全国の酒米の品種は124品種で、その中でシェアナンバーワンを占めているのが兵庫県を代表産地とする山田錦である。県内では、山田錦以外にも様々な酒米を使用して、日本酒づくりを行っている。新品種の『兵庫錦』は草丈が短く倒れにくく、『Hyogo Sake 85』は輸出を意識したネーミングとなっている」と兵庫県の酒米の個性と魅力について分かりやすく説明した。
続いて参加者全員によるきき酒選手権を開催した。3種の日本酒を飲み比べ、3種の酒米を当てるもので、参加者は各テーブルで、真剣な面持ちで日本酒をじっくり吟味した。
メインイベントとなる「日本酒と地元食材とのマリアージュ」では、酒米ごとの33銘柄の日本酒と食を提供した。「山田錦」「兵庫夢錦」「兵庫錦」「Hyogo Sake 85」「フクノハナ」「兵庫北錦」「五百万石」と7種の酒米の日本酒を33銘柄揃え、参加者は普段触れることのない酒米ごとの味比べを大いに楽しんだ。
主催者あいさつに立った兵庫県酒米振興会の萬谷信弘会長は、「本日は多くのお酒が揃っているので、たくさん味わってもらいたい。そして、是非その内容は忘れずにいてもらいたい。兵庫県は酒米の品種を開発した数、酒米の生産量、そして日本酒の醸造量が日本で一番となっている。兵庫県で育種した品種、そして生産者の実力によるお米、そして酒蔵による美味しいお酒、すべての力が合わさった日本酒の味わいを存分に楽しんでほしい」と参加者に呼びかけた。
また来賓あいさつを行った兵庫県酒造組合連合会の山邑太左衛門会長は、「このような形で兵庫県産の日本酒をアピールする場を設けてもらい、ありがたく思う。兵庫県は日本一の酒どころであり、酒米の生産地である。兵庫県はそれぞれの地域でそれぞれの風土と食に合った日本酒を造っている。今日はその味わいの差を感じながら、存分に日本酒を楽しんでもらいたい」と感謝の言葉を述べた。