いいちこ発酵大麦エキスからGABAの量産に成功

2006年01月30日

 【大分】大麦発酵研究所(本社・宇佐市、大森俊郎代表取締役)は、親会社の三和酒類の「むぎ焼酎いいちこ」の製造過程で発生する発酵大麦(焼酎粕)から得られた食品素材・発酵大麦エキスをさらに乳酸発酵させて、健康食品・機能性食品用素材として注目されているGABA(ギャバ=γ<ガンマ>-アミノ酪酸)を生産することに成功した。
 GABAは、特に野菜、茶葉、発酵食品に多く含まれ、脳の中で神経伝達物資として働くもので、1950年にほ乳類の脳抽出液中からGABAが発見されて以来、健康に役立つ成分(血圧上昇抑制効果、リラックス効果など)として、多くの健康に関する研究が続けられている。
 発酵大麦エキスにもGABAが含まれていることは知られていたが、これを抽出することは高コストで、実用化が困難だったが、同研究所では昨年から取り組んだ研究で、発酵大麦エキスを再発酵させることで、GABAの大量生産と抽出が可能になった。
 同研究所のGABAは、原料オリジン(二条大麦)が明確、アレルゲン性がなく、食品添加物としての表示も不必要なため、調味素材に適しているという。また、風味が良く、調味料素材や食品素材として使用しやすいことも特長の一つ。同研究所では、自社使用だけでなく、食品原料として他社への販売を拡大していく予定。