自販機の製造・販売を行うフジタカは、生体認証の一種である「顔認証」技術を実用化した世界で初めての顔認証機能付たばこ自販機を11月12日から発売した。
同自販機は、内蔵したカメラに「顔」を見せるだけで「成人・未成年」の識別を行うことが可能となっている。同自販機では、目・口の大きさや配置、骨格の情報などから年代層を判断できる「年代層判定システム」で未成年者を識別し、成人と判断した場合のみ購入を受けつける。
さらに、未成年者への販売防止機能を高めるため、20歳前後の年代層の識別は同システムでは行わず、運転免許証識別装置に誘導する。同装置では、免許証の生年月日を読み取り、年齢の確認と同時に「顔照合システム」で差し込まれた免許証の写真と利用者が同一人物であるかを照合している。免許証で成人確認ができた人の顔情報は、自動的に暗号化されたデータで保存され、2回目以降は保存されたデータとの比較を行う「顔認証システム」の本人保証で購入が可能となる。
なお、すべてのプロセスで外部との通信は行わない。
同社では、自販機メーカーとしての責務である「未成年者へのたばこ販売」の問題を最重要課題として取り組んでいるが、自販機業界では従来のカード方式、免許証方式では利用者に支持されず年齢識別の稼動が普及しない状況にあった。そこで今回、新方式の導入に踏み切った。同社では、「新方式は従来方式に比べ、未成年者への販売防止、たばこ購入者の利便性、そしてたばこ店の存続をバランス良く考えた現段階における最適の方法として認識している。今後はさらにその精度を高めたい」とさらなる改良を考案している。
同自販機のラインアップは、20コラム・30コラム・40コラムの3タイプを揃え、初年度合計1万台の販売を目標としている。