サッポロビールが焼酎事業に参入 キッコーマンから譲受

2005年11月30日

 サッポロビールは、キッコーマンとの間で焼酎甲類・乙類などの事業譲受について基本合意し、12月下旬に同社と正式契約を締結する。これにより、サッポロ社は焼酎事業へ参入し、ビール大手4社の焼酎事業が出揃うこととなる。サッポロ社では焼酎事業を、ビール・ワインに次ぐ新たな柱として育成していく。
 具体的には、正式契約締結後に、キッコーマン社の酒造工場・尾島製造部(群馬県太田市)を譲り受け、焼酎甲類・乙類、合成清酒、スピリッツ類原料用アルコール、リキュール類の事業を承継する。また、来年4月をめどに、既存ブランド商品の拡販を中心に全国展開する予定となっている。サッポロ社では、今回、焼酎事業に参入することで、提案力のさらなる拡大を図り、コーポレートブランドを一層強化していく。
 11月25日に行った記者会見の中で、サッポロビール・福永勝社長は、「焼酎事業に新規参入する理由は、“1”焼酎の市場規模から見る今後の成長性“2”ビール事業とシナジー効果がある“3”従来の枠にとらわれない分野に進出することにより、商品開発の幅が広がる可能性が期待できる--といった点があげられる。焼酎事業は、安定的なカテゴリーとして定着してきたと判断しており、今後当社の焼酎事業が成功に結びつくよう努力していく。商品展開に関しては、焼酎『トライアングル』は引き継ぎ、そのまま販売するが、みりん『万上』は譲り受けしない。缶チューハイは、今後の商品開発の中で検討することもあり得る。また製造体制では、キッコーマン社の尾島製造部の従業員40人を引き継ぐ」と語った。
 キッコーマンは同日、焼酎事業をサッポロ社に譲渡することを発表するとともに、「引き続き酒類事業において、みりん、ワインなどの製造・販売に注力する」と表明した。