国税庁 みりん製造免許で酒税法改正

2011年03月04日

 国税庁は、みりんの製造免許の需給調整要件を大幅に見直し、地場産米を主原料として使用した場合にも特定の条件下で免許を付与する。現在、酒税法および関係法令の通達一部改正案を取りまとめ、パブリックコメントを募集している。平成21年12月の政府の緊急経済対策で打ち出されていたもの。

 国税庁は、みりん製造免許の需給調整要件を見直す「酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達の一部改正」案を取りまとめ公表した。

 平成21年12月に閣議決定された「明日の安心と成長のための緊急経済対策」(緊急経済対策)における構造改革特区提案で地場原材料を使用し、かつ、新規雇用者の創造など地域経済や地域産業の活性化に資すると認められる場合の「みりん製造・販売業の新規参入の容認」を求める提案が提出されていたことを受け、酒税法保全上の見地から、みりん市場全体の需給に与える影響に配慮しつつ、みりん製造免許の需給調整要件を見直すことにしたもの。

 現在、酒類の製造免許を受けるには、酒税法に基づき製造しようとする酒類の品目別に、製造場ごとに製造場所在地の所轄税務署長から製造免許を受けなければならない。これには申請者などが酒税法第10条各号に定める免許の要件(人的要件、場所的要件、経営基礎要件、需給調整要件、製造技術・設備要件)を満たしているほか、免許を付与された後1年間の製造見込み数量が最低製造数量基準(みりんの場合の最低製造数量は10kl)を満たしている必要がある。

 また、みりん製造免許の需給調整要件については、みりん製造者が企業合理化を図るため新たに製造場を設置してみりんを製造しようとする場合に限り免許を付与することとしていた。

 見直し案では、現在の需給調整要件のほか、①申請製造場の所在する地域(原則として当該申請製造場の所在する特別区を含む市町村)で生産された米(地場産米)を主原料として製造(その仕込みに使用した地場産米の重量が当該仕込みに使用した原料の総重量の50%超)する場合②申請製造場の所在する都道府県が直近3年度におけるみりんの平均課税移出数量と平均小売数量を比較し、平均課税移出数量が平均小売数量を下回っている都道府県である場合--の条件を満たす場合にも、申請に基づき個々に内容を検討の上で免許付与の可否を決定することとなった。ただし、新しく設けられる要件を満たして付与されたみりん製造免許については、当分の間「製造する数量は、100kl以下に限る」旨の条件が付く。

 今回のみりん製造免許の需給調整要件緩和について、3月30日まで国税庁でパブリックコメントを募集している。