東京在住馬宮さん 関東で四国の酒PR 

2008年06月13日

 【高松】四国の地酒を大都市で広めようと、酒蔵に生まれ育ち現在、東京に在住している主婦の馬宮加奈さん(35)が活動を進めている。元IT企業勤務のキャリアを生かしたホームページによる情報発信や都内の料理店を会場に消費者を対象としたイベントを通して日本酒を応援。四国の地酒を関東でアピールする「四国の地産と文化を考える会FOURLinks(フォー・リンクス)」を発足させた。少子高齢化などで地元消費に頼れない清酒業界にとって、馬宮さんのPR活動は、四国と東京をつなぐ心強い架け橋になりそうだ。

 馬宮さんは、徳島県三好市池田町の老舗酒造メーカー、三芳菊酒造で会長を務める功氏の長女に生まれ、現社長で長男の亮一郎氏を兄に持つ。IT企業でウェブ関連の仕事に従事し、結婚と同時に退職。現在は東京・目黒に住まいを構え、生まれ育った酒蔵に対する愛着から地元徳島や広く四国全体の活性化にもつながればと都会での地酒PRに着手した。

 持ち前のネットに関する知識を生かし、個人制作によるホームページ(http://www.iloveshikoku.net)を開設。積極的な活動で日本酒造組合中央会や四国各県の観光団体、民間企業などの協力も受けながら、サイト上で活動の主旨や内容をアピール。首都圏に住む日本酒ファンに四国の地酒を知ってもらおうと、イベントなど各種情報を掲載している。

 4月26日には、おしゃれな人気店が多い代官山で「四国の酒祭り♪新酒と季節の料理を楽しむ~蔵元が語る!四国の魅力と酒~」と題した地酒パーティーを開催。旬の食材を楽しめる炉端焼「うだつ」(渋谷区代官山町)を会場に東京や神奈川県から定員を上回る約70人が参加し、4県14社の銘柄を提供。酒蔵と語らう会として実際にメーカー関係者が駆けつける企画に発展した。

 地方と都会をつなぐ役割を果たす馬宮さんは「四国は意外と知られていない素晴らしい酒や食べ物、文化が多い。東京を中心に関東の方々に理解してもらえれば」と新たなイベント企画に意欲をみせている。