日本酒造杜氏組合連合会会員数調

2016年02月23日

 日本酒造杜氏組合連合会によると平成27年度は全国で杜氏703人(前年度735人)、三役数(杜氏補佐など)210人(同230人)、一般会員1357人(同1339人)、合計で2270人(同2304人)が酒造りに携わった。

 近年農村地域の過疎化、高齢化現象と並行して、酒造業に従事する季節労働者も高齢化し、その数は急速に減少してきた。これら季節労働者不足を補うために、機械化が進められ、また若い社員技術者らも混じって酒造りを行うようになっている。そのため一般会員数は微増している。杜氏の技術を学びながら、社員での酒造りが本格化してきていることがうかがえる。

 ところで20年前の平成8年度には杜氏数は1515人、三役数1897人、一般会員3739人、合計で7151人が酒造りに携わっていた。平成27年度に比べて、杜氏数は812人減、(54%減)、三役は1687人減(89%減)、一般会員は2382人減(74%減)、合計4881人減(69%減)。

 主な組合の同じく20年前の杜氏数で比較すると、新潟酒造技術研究会227人減(70%減)、丹波杜氏組合41人減(55%減)、但馬杜氏組合160人減(81%減)、南部杜氏協会165人減(43%減)、能登杜氏組合9人減(11%減)、広島杜氏組合27人減(45%減)などとなっている。酒造業に従事する杜氏をはじめとした季節労働者の激減ぶりがうかがえる。中でも杜氏数の5割以上の減少、それを補うはずの三役が9割近い減少では、高齢、退職が進む中で、古い歴史を持つ、例年同一地域の人たちが同一酒造場に就労してきたこの組織の維持が危うくなっている。

 機械化、合理化によって蔵人の人数も減り、集中管理システムを用いて近代的な酒造りが進められてきている。が、一方では昔から農業などに従事していた人たちが冬期季節労働者として全国からやって来て、その長の出身地を冠した杜氏の下で酒造りに従事してきた。「杜氏が3人寄れば3様の酒が出来る」という世界でもある。

杜氏の平均年齢も70才を超えており、高齢化が年々深刻化していくなかで「持っている技を早く若い人に伝えていきたい」と語る杜氏は多いのである。