大関・業績発表 ワンカップ減が影響  中小容量びんに注力

2016年05月23日

 【兵庫】大関は5月13日、西川定良社長はじめ同社幹部らが出席し、昨年(平成28年3月期末)業績および今期目標についての発表記者会見を同社にて開催した。

 西川社長はあいさつの中で、「昨年の売上高は169億7000万円、前年比4・3%減となった。一方で利益面ではプラスを示すことができた。ブランド別では、全体の35%のシェアを占める『ワンカップ大関』が減少を示し、58億5000万円、4・8%減を示した。パック酒のメインブランド『のものも』は23%減となった。一方で『辛丹波』『大坂屋長兵衛』などの中小容量びんは好調に推移し、全体では12%増となった。また『甘酒』も好調に推移している」とブランドごとの動向を示すとともに、「今後も中小容量びんのアイテムに注力し、2016年度の目標は170億円、1・2%増を目指したい」と語った。

 主なブランドごとの振り返りでは、▽「ワンカップ」ブランド=目標62億円に対し、58億5000万円で終了。市場がシュリンクする中で、ジャンボ300ml投入により2-3月の伸長はあったものの通年では上撰180mlの苦戦で前年割れ▽純米酒「醴(RAI)」=売上は半期で約1億円で、同社の中容量びんの中でトップランクのアイテムに▽中容量びん(720ml)=合計では13%の増加。「大坂屋長兵衛」5%増、「辛丹波」5%増、純大吟・大吟94%増といずれも好調に推移した▽「甘酒」=6億3000万円、27%増。メディアでの話題継続、夏バテ防止といった上期需要の増加が奏功――と発表した。
 長野丈太郎営業部長は営業施策について説明し、①絞り込んだ営業施策への特化、ブランドでは「ワンカップ・ジャンボ」「あまくち大関」「醴」「甘酒」など②小さな成功事例の水平展開③攻めの営業への転換――の3点を新年度の施策として示した。

 2016年度上期商品政策については、①「ワンカップ・ジャンボ」「ワンカップミニシリーズ」への注力②「醴」に300mlびんを投入③「辛丹波」に新アイテム「生貯蔵」720mlを追加④パックに「銀冠パック」を新発売⑤「冷涼甘酒」を展開、と説明した。