新洋技研工業がサーマルタンク利用の少量仕込みを提案

2005年08月19日

 【新潟】新洋技研工業は、高付加価値酒の低温発酵・貯蔵に「サーマルタンク」を開発、発売して20年になるが、同社では長年培った高付加価値酒製造設備設計のノウハウを活かし、各蔵元の状況に応じて既存設備の有効利用も併せた「小規模仕込設備及び製造計画・収支計画」をこのほど提案している。
 同社は「大量生産・大量販売の時代ではなく、今後は品質本位の少量生産、装置の縮小化と合理化、作業技能者の少数精鋭主義を核とし、消費者の納得が得られる製品に向けての戦略・戦術が重要なポイント」だと言い、そのためには「必要に応じて、必要な種別を、リスクを少なく、在庫負担を軽く、そして投下資本も少ない」などの「少量仕込みへの変換がメリットの大きい経営手法」だと考えている。
 「少量仕込み」例として、吟醸酒の仕込みなみの総米を600kgとし、蒸米を週3回に分けて仕込むと、40週(約10カ月)で年産72KL(400石)が得られる。必要人数は2名+手伝い1名程度で、楽にしかも行き届いた作業ができる。
 「少量仕込み」は、サーマルタンクがあれば改革の第一歩が踏み出せ、冷却方式(“1”US型…大吟醸仕込みなどの品質をシビアに管理“2”標準型…貯蔵時の温度をマイナス2~3度C、場合によってはマイナス5度Cも考えたい)、容量(2、3、5、7KL)、タンク材質(“1”SUS304…仕込みに使用“2”SUS316…貯蔵にも使用“3”SUS444…大吟醸、古酒等の長期長蔵に使用)から選択できる。
 また、同社では、既存のタンクで適切な大きさ、損傷が少なければ、改善リニューアルしたタンクを、見事にサーマルタンクに変身させることもできる。その他、蔵の状況を見て、費用を最小にする改善の相談も受けている。
 このほかに、見学者受け入れを考えている蔵に小規模仕込み装置の「ガラス製タンク」も提案しており、見学者に発酵状態を観察させながら日本酒造りを語ることができる。
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