業酒連協同組合が第7回通常総会

2015年11月06日

 全国の大手業務用小売で組織する業酒連協同組合は10月22日、第7回通常総会を開催し、上程の議案を審議・可決した。任期満了に伴う理事改選では、西仲徳次代表理事が退任し、新たに佐々木実氏(佐々木、東京)が就任した。

 冒頭、西仲代表理事は、「業酒連協同組合は谷口氏の肝入りでスタートさせた組織。出資金に手を付けないということで事業を進めているため、できることは限られているものの、毎年さまざまなことに取り組み、昨年は特に教育事業に力を入れてやってきた。われわれ業務用業界は社員の質の向上が重要だが、同時に経営者も変わっていかなければならない。7期を過ぎたが、次年度は環境の変化に合わせた事業も行っていきたい」と話した。

 昨年度は、消費税増税後、総じて消費は控えめで、富裕層の部分的な消費動向がマスコミなどで取り上げられたことで、二極化は一層明確に認識されるようになった。外食産業では、一世を風靡していたハンバーガーチェーンが顧客の信頼を失ったことから売り上げを大きく落とし、また、牛丼チェーンやファミリーレストランがちょい飲みをはじめ、飲食を楽しむスタイルを改革。大きく変化した一年となった。

 業務用酒販店は配送スタッフの圧倒的不足から受注に対応できないことや、新規獲得や積極的な営業活動すらできないといった、「企業成長どころか顧客維持に必死」な状態も散見されたという。また、卸売業者も業務用には積極的に参入する意向を示していることから、同協同組合では、「われわれを取り巻く環境を冷静に見つめ、未来を予測し、最善の手を早めに打つことが求められている。われわれの持つきめ細やかな顧客対応能力を最大限の差別的優位性として、顧客の確保や育成に努めることが求められる」とした。

 同協同組合の中核事業の共同事業では、取り扱い金額で予算を上回った。既存商品の「にごり梅酒」は、販売に注力。7月には商品の味覚変更も行ったことから「独自商品の持つ強みが発揮されはじめた」。フラワーサービスも認知度が高まり取り扱い件数が増加した。一方で、商品開発については、「大型商品に着手したが、ビール類の酒税改定が市場にどのような影響を及ぼすか不透明なため開発速度を緩めた」とした。

 教育事業は、従来の「酒販ビジネススキルアップセミナー」に加え、新たに「フレッシュマン研修」を実施。ビジネスマンの基本の習得に加え、業務用酒販店向けの「酒類業界の基本」も習得してもらうことで組合員企業のニーズに対応した。

 新たに代表理事に就任することになった佐々木氏は「業務用業界は多難。今までの事業を粛々と進めていく。業酒連のため、協同組合のため、何より業務用業界のためにしっかりと努めていく」と抱負を語った。