南国酒販協同組合 酒蔵3社とPBセット

2007年11月21日

 【高知】高知県の観光名所「龍河洞」(香美市)で11月6日、南国地区の酒販店でつくる南国酒販協同組合(中村隆之理事長)が貯蔵した日本酒のPB商品を運び出す作業があり、組合員ら約20人がセット商品の箱詰めに精を出した。洞窟の入り口に祭る「龍王神社」の秋の大祭にあわせた行事で、今年で8年目。地元酒造メーカー3社の年末贈答向けセット「香長三龍洞窟貯造酒」として約1300本が即日販売された。

 組合員約130人で卸の販売免許を持つ同組合は、製造免許がないため地元の南国税務署管内にある酒造メーカーに依頼し、組合や地元観光の活性化に役立てる狙いで始めた。全長4kmの龍河洞は国指定の天然記念物で日本3大鍾乳洞の1つ。洞窟内は日光が当たらないうえ、年中17度Cと一定のため「熟成に適している」(酒造関係者)という。毎年4月末に貯蔵し、この時期に約半年熟成の純米原酒1年ものと約2年半熟成の純米吟醸原酒3年ものを運び出している。

 貯蔵品の3銘柄は▽龍の夢・アリサワ▽龍の郷・高木酒造▽龍の舞・松尾酒造で、まろやかで芳醇な味と香りが特徴。3本セットで熟成年度と容量別に3種あり、全体の7割を占める1年ものが720ml5250円(340セット)と1・8l1万500円(30セット)の2種で、3年ものが720ml1万500円(40セット)。同組合は、今年初めて精米60%の吟の夢で造った3社のPB720mlセット「香長平野」も販売しており、来春運び出す計画で今回あわせて100セット300本も貯蔵した。

 貯蔵しているのは、入り口から約80m離れた「ゆるぎの間」。一般コースから外れた立ち入り禁止区域で、左手の横穴から入ると約30mの奥行きがあるという。組合員らは午前9時から台車を手に洞窟内に入り、鍾乳洞特有の狭さと水で濡れた足場の悪さを克服しながら運び出した。

 商品は試飲で品質をチェック。搬出途中で瓶が割れる欠損もあり、汚れがひどいラベルは張り替えるなどほぼ1日かけて箱詰め作業に追われた。中村理事長らは「当組合の完全なPB商品。1年ものより3年ものの香りが良い。大きめのグラスで香りと味の両方を楽しんでほしい」とPRしていた。