国際アルコール政策センターとビール酒造組合、日本洋酒酒造組合の3団体主催の「酒類業界『広告宣伝に関する自主基準』アジア・西太平洋地域ワークショップ」が6月20日に行われ、今後の各国、企業の自主規制活動の強化への指針となる「東京宣言」を採択し、「各国の異なる伝統、法律、嗜好などを認識した上で、アジアでの酒類の広告自主規制を拡大する」と声明を発表した。今後の酒類業界の広告宣伝に関する自主基準の具体策、対応策は、東京宣言の趣旨に沿って検討するものとみられる。
【東京宣言(共催者共同声明)】
アルコール飲料の責任ある広告と販売は、酒類業界全体の優先課題となる。
今回のテーマにおける自主規制とは、社会的に責任ある広告の基準を合意の下につくり、それらが守られていくことだ。自主規制は世界的潮流になっている。法的措置や手段が働きにくい分野で、自主規制は迅速に流動的に対応できるからだ。新しい社会基準や新しい市場動向にも素早く対応でき、文化やビジネス慣行の微妙な違いにも敏感に対応できる。
また、消費者尊重、各会社平等の原則の上に立つので、関係各者から支持され協力を約束されている。私たちは、関係者一同が協力し、自主規制の規模と効果を改善していくことが共同の責任だと強く感じている。
次のことを実行していく。
(1)国、地域、世界すべてのベースで、責任あるマーケティングのための「最善のやり方」の基準を決める=各企業が、法律や自主基準を遵守し、他社にも働きかける。自社ブランドの販売担当者や広告代理店を、自主基準の文言だけでなく、その精神に沿うように教育する。
(2)各社がともに協力し、関係者や政府とも協力して、自主規制のシステムがまだ存在していないところには設置し、すでにある分野ではその効果を向上させるよう努める=その目的を達成するために、流通小売業者と協力し、合弁企業各社にも働きかけ、独立した自主規制機関の設置を推進していく。
アルコール飲料の無責任な摂取をすすめるようなマーケティング方法は、明らかに許されない。責任あるマーケティング方法とは、アルコールによる害を少なくする、という公衆衛生の目標をサポートするもの。酒類製造業者がその害に対処できる方法はほかにもいろいろあるが、自主規制はカギとなるものだ。自主規制が効果的に働けば、政府、産業、消費者などすべての関係者のためになる。
アルコール飲料の広告と自主規制に関する諸問題については、いろいろ異なった意見があることを認識した上で、今回の会議はそのギャップを埋めるやり方の一つとして、すでに存在する自主基準を改良し、特にアジアでは自主規制を拡大する、ということに焦点をあてた。
ほかの市場で得られた自主規制での経験を、各国の伝統、法律、嗜好、商習慣の中で活用し、信頼できる自主規制と責任ある広告販売のさらなる改善に向けて、関係者すべてを支援する方法がこの会議では探求された。
関係者、私たちがこの決意をともにし、目標達成のために尽力する。
