倉松酒販 『全国蔵めぐりin北九州』開催

2023年06月05日

 【福岡】JR小倉駅から徒歩7分、サッカーJリーグの試合などが行われるミクニワールドスタジアム北九州(北九州市小倉北区)で5月28日、酒類卸の倉松酒販(北九州市若松区、倉松聰社長)が企画した日本酒の有料試飲イベント『全国蔵めぐりin北九州』があり500人超が来場参加した。初の試みだったが、会場となったスタジアムの通路は長くて広く、今回イベントにとって格好のスペース。日本酒の魅力を、貪欲に体感しようとする参加者と、試飲や対話を通じ深く響かせようとする蔵元、双方交流の熱で充満した。卸売業が造り手と飲み手を繋げる力も見せつけた。個々人の感性で愉しむ日本酒飲酒の普及と浸透も実感させ、一層ののびしろを感じさせるものになった。

 主催は同スタジアム運営管理の㈱ウインドシップ北九州。倉松酒販は企画協力で実質、開催の全般を担った。

 会場はスタジアム「にぎわいプロムナード」(入口広場横)。

 出展は全国の日本酒蔵元20社、出品は日本酒約80種に上った。①如空・銀嶺月山②菊の司③阿櫻④笹正宗⑤奥の松⑥甲子⑦北雪⑧手取川⑨御湖鶴⑩半蔵⑪萩乃露⑫春鹿⑬月山⑭賀茂鶴⑮五橋⑯天心⑰白糸⑱肥前蔵心⑲西の関⑳八鹿。

 2部制=①11~13時②14~16時で、完全入替・各250人。前売チケット制〈参加費2000円〉とした。

 第1部の前、10時~10時50分を、優先入場で商談も可能な〝酒販店限定ビジネスタイム〟とした。

 会場はスタンド式だが一部、席利用も可。また同日開催イベント「あつマルシェ」にキッチンカーが出店し、食と共に存分に試飲を楽しめるものとした。

 倉松酒販は豊富な地酒の品揃えを誇る専門卸で、北九州エリアは地酒販売・地酒愛飲の先進地として知られる。

 同社は日本名門酒会支部卸。ファンが集う『友の会』などを催してきたが、取引先蔵元を一堂に紹介する大規模イベントは新たな試みだ。名門酒会銘柄以外の出展があり、ほぼ半数の蔵元が同社イベントでは初お目見えとなった。

 初出展の蔵元は「これまでほとんど当地で営業活動をすることはなく、販売は倉松酒販さんにお任せしてきた。こうして実際に当蔵の日本酒を飲んでいただいている方々、またそうではない方々と直接お会いできる機会で楽しみにして来た。新たな酒販店さんとの取引や、新たなファンづくりにもつながると期待している。ご当地ではどういうタイプの日本酒が好まれるのか、そんなことも肌で感じることができるだろう」と言葉に熱を込めた。

 倉松社長によると、同社はコロナ禍でも日本酒の売上げが落ちなかったという。「蔵元さんから良い商品をご紹介いただけたお陰。販売額も利益も上がった。今回のイベントは御礼を込め企画させていただいた意味合いもある」と話した。実際、新しく取引が始まった蔵元もあり、その売上げがプラスになったようだ。

 手応えは十二分。地酒の魅力発信、再起動は最高の高揚感に包まれた。