月桂冠総合研究所 麹菌成分の継続摂取で肌や肩こりなどを緩和

2023年03月13日

月桂冠総合研究所は、日本酒など発酵食品の製造に使われる麹菌が作る成分・デフェリフェリクリシン(以下、Dfcy)を継続摂取すると、身体の肌の調子・肩こりなどの軽度不調が緩和されることを発見した。今回の研究成果は、「デフェリフェリクリシン高含有麹菌発酵エキス飲料の継続摂取による軽度不調緩和への影響」と題して、2023年度日本農芸化学会大会(会期2023年3月14日~17日)で発表する。なお、同研究は支援をうけ、学校法人電子開発学園北海道情報大学・学長・西平順教授の研究グループと共同で行った。

麹菌の発酵食品である米麹、それを用いた甘酒や日本酒などの発酵食品には様々な健康と美容に関する研究がなされている。これまで、同研究所では、これらの飲料などに含まれる麹菌発酵生産成分・Dfcyに着目し、「肌のバリア機能改善」など体の外側から効用があることを皮膚のモデル試験で明らかにしてきました。そこで甘酒のようにDfcyを継続的に摂取した場合、体の内側からどうのような健康と美容に関する作用があるかを検証することとし、Dfcy含む飲料の作成(月桂冠担当)と、ヒトモニター試験(北海道情報大学担当)を行った。

ヒトモニター試験での検証の結果、Dfcyを含まない飲料(プラセボ)と比較して、Dfcyを含む飲料を摂取したグループは肌の調子(「肌の調子」、「肌の乾燥」と「目の下のクマ」)と、身体的疲労感(「肩がこる」と「頭が重い」)が統計的に改善されていることが明らかとなった。また、睡眠時脳波について行ったところ、睡眠時の覚醒回数が減ることが分かり、睡眠の質を改善している可能性があることも示された。

今回の試験結果では、体の外側から作用による肌の改善が、体の内側からの作用にも同様にあったことを初めて明らかにしただけでなく、身体的疲労感や睡眠の質改善まで様々な効用があること明らかにしたもの。また、米麹を含む発酵食品を摂取することでこれらの効用が得られる可能性を併せて示すことができた。

今後は、Dfcyの新しい生理機能を解明するだけでなく、Dfcyをより多く含む米麹の技術開発や、開発した米麹を用いた新商品開発に繋げていく予定としている。