【宮崎】宮崎県酒造組合(渡邊眞一郎会長)が11月24日、第19回通常総会を開催。「原料芋等の安定供給に対する支援要望」を決議した。サツマイモ基腐病の被害は深刻だとし、生産農家への支援を通じ「原料用芋の確保を図る」施策を求めるものだ。租税特別措置法87条の恒久化要望も盛った。以下全文、原文。
宮崎の清酒・本格焼酎は、それぞれの土地の収穫物を使って固有風味のある清酒・本格焼酎を育み、それを提供してきた。
国内飲酒人口の減少等など構造的課題などから、日本産酒類の現状を踏まえ酒類の持つ特徴や原料、産地、製法等について、付加価値を高め輸出拡大に向け、業界全体として取り組んでいるところである。
近年における業界を取り巻く環境を見ると、新型コロナウイルス感染症拡大による酒類消費量の減少から酒類業界全体が疲弊する問題が生じており、経営基盤安定化のため早急な対策が必須とされている。加えて、基腐病による原料用芋の不足及び価格の高騰は、甘藷を原料とする本格焼酎業界に重くのしかかっている。
清酒用米を含め、原材料の多くを県内に依存する我々業界が将来において製造に支障をきたすことのないよう、次の事項を関係機関に要望する。
1 清酒・焼酎業界の原料米や芋の安定確保のため、生産農家への技術指導や助成金制度の拡充、特に基腐病の被害は、生産農家及び当業界にとっては深刻な事態にあり、甘藷を生産する農家に継続栽培への支援を行い、原料用芋の確保を図ること。
2 高騰している原料等の調達費用に見合った補助金・保証支援を行う等の施策を講じること。
3 コロナ禍により営業活動が制限される中、大消費地向けのウェブイベントの開催等、新たな需要開発イベント等の開催支援を強く要望する。
また、中小事業者が多い当業界にあっては、国の支援も必要である。
その負担調整措置である租税特別措置法87条は、今、当業界が置かれている経済状況では必然の支援処置であり、日本国政府にはその制度の恒久化を強く要望する。
清酒・本格焼酎業界はこれからも県内の農業や関連産業、雇用に貢献しながら宮崎の酒文化を全国に広めてまいります。
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県酒造組合員中、焼酎製造業37社合計の製品出荷数量〈単式蒸留焼酎・課税移出数量、日本酒造組合中央会調べ〉は、8酒造年度(平成26・27・28・29・30・令和元・2・3)の間、日本一。令和3酒造年度(3年7月~4年6月)の出荷量は11万6953㎘(約64万8千石)で、全国シェア30・9%。芋焼酎は10万431㎘(約55万7千石)で、全国の芋焼酎全出荷量の59・8%を占めている。