【香川】「酒に合う『讃岐うどん』、讃岐うどんに合う『酒』を開発」――。「うどんに合う酒を考える会」(三矢昌洋会長)は3月29日、高松市西宝町の喜代美山荘・花樹海で「うどんに合う酒発表試飲会」を実施した。
同団体は平成22年11月以来、香川の食文化で地域の活性化を図ろうと、「讃岐うどん」と「地酒」をキーワードに酒に合ううどんや肴を開発してきた。今回は、逆に「うどんに合う酒」を計画し、県内の地酒各社に依頼したところ、「綾菊酒造」「西野金陵」「森國酒造」の3社から協力があった。
開発された3社の酒は、いずれも「雑味がなく淡麗で『水の如く飲める』酒」という自信作。日本酒を「國酒」と呼んで揮毫を始めた故・大平正芳総理のお膝元である香川県から、讃岐うどんだけでなく日本酒「國酒」を広めたいとの願いも込められている。
開かれた会では、三矢会長や浜田恵造知事をはじめ、県酒造組合の西野信也会長、県観光協会の梅原利之会長らがあいさつ。「全国、世界に香川の酒の名をとどろかせ、愛してもらいたい」とアピールした。
会場は、県や香川大学、旅館ホテル、観光、報道マスコミの関係者ら多数で埋め尽くされ、「プロモーションビデオ」を見たあと讃岐うどんなど県内の料理との相性を楽しんだ。
「蕎麦屋」で日本酒をたしなむ粋な文化が古くから根づいている東京など関東圏に対して、お腹を満たす目的が主たる「うどん」とのマッチングに酒造各社は課題の克服に努めた。
壇上に立った製造技術者や幹部、経営者らは「かけ・ざるとも出汁であるカツオ節やイリコの旨味成分にあわせ、酒の酸味(コハク酸、乳酸、クエン酸)に着目した。バランスを調整し、酵母選びを工夫した」(西野金陵/酒井氏)、「さぬきよいまいを使った」(綾菊酒造/宮武氏)、「オオセトで香り高く膨らみのある味にした」(森國酒造/池田氏)と今回の酒造りのポイントを強調した。