月桂冠 「糖質ゼロ」特許取得

2011年07月25日

 月桂冠(京都市伏見区、大倉治彦社長)が発売する日本酒「糖質ゼロ」の製造方法が特許を取得した。

 「糖質ゼロ」は、糖質スーパーダイジェスト製法(GSD製法)により、糖質を限りなくゼロにして飲み口を軽快にしつつ、旨味をできるだけ残して従来の日本酒らしさを保った。

 今秋出荷する商品からリニュアールを実施し、パッケージには特許番号とともに「特許取得 おいしさの秘訣(GSD製法)」と表示する(9月上旬出荷開始)。

 日本酒の醸造では、原料米の「デンプン」が糖質へと分解されていく。その過程では「オリゴ糖」を経て最小単位の「ブドウ糖」まで順次分解される。酵母は「ブドウ糖」を栄養として体内に取り入れてアルコールを造り出すが、「オリゴ糖」のままでは栄養とすることができない。そのため通常の方法では、酒中に「オリゴ糖」など分解途中の糖質が残る。また、発酵の後期にはアルコール度数の上昇によって酵母の働きが弱まり、「ブドウ糖」をアルコールへと変換する力が低下する。そこで「糖質スーパーダイジェスト製法」では、麹が米のデンプンを分解する力を強化し、糖質を徹底的に分解する。さらに、発酵後期まで酵母の働きを持続させるよう温度などの条件を細かく調整する。これらの技術により糖質を極限までカットすることに成功した。

 同社では、これまで2004年9月にカロリー2割(糖質3割)カット、2008年3月に糖質85%カットの日本酒を発売。継続して研究開発を進める中で、糖質カット率を高めていき、2008年9月、日本酒で初めての「糖質ゼロ」を発売した。すっきりした辛口、軽快な飲み口が特徴で、あっさりした料理だけでなく、油を使った料理では口中をすっきりさせるウォッシュ効果も見られるなど、多様な料理との相性が良い商品。発売以来、糖質の摂取量を気遣う健康意識の高い消費者から、高い支持を得ている。

 【商品概要】▽アルコール度数=13度以上14度未満▽容量/希望小売価格(税別)=1・8lパック/1396円、900mlパック/716円、210mlエコカップ/160円