【高松】四国4県の酒造技術専門家でつくる四国醸造セミナー主催の「醸造講演会」が4月9日、高松市古新町の香川県酒造組合であり、メーカーや行政、醸造用品の製造関係者ら約30人が参加した。
今回は製造関係者でなく、流通の立場から日本酒を応援し、業界を盛り上げている2氏を講師に招いた。
トップバッターは久本酒店の社長を務める佐藤哲也氏で、自身が主導してきた企画「四国酒蔵八十八箇所巡り」について講演。全国的な讃岐うどんブームを支援してきた経緯から「酒も面白いことをやろう」と発案。自らが運転手を務めた弾丸ツアーなど、ボランティア色を強めた企画の秘話を語り、会場を引きつけた。
日本酒業界が進める制度「酒サムライ」と世界コンテスト「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」については、国際線客室乗務員の平出(ひらいで)淑恵さんが報告。「空飛ぶソムリエ」の先がけとして世界の銘醸地を巡った経験から「世界中に日本酒愛好家広がり、地域や国家が潤えば」とIWCの日本酒部門新設について経済効果の夢を伝えた。
会場は杜氏や製造技術担当者らが詰めかけ、ぎっしり満員。熱心に聴講する姿が目立ち、盛況だった。