キリンビール 「世界のハイボール」

2009年12月04日

 【東京】キリンビールは、“世界にある樽熟成したお酒を使用したハイボール”をコンセプトとした「世界のハイボール・樽熟ウイスキーソーダ」「同・樽熟シェリーソーダ」を2月10日から全国で発売する。

 同商品は、世界から厳選して調達した樽熟酒を、「氷結」で培った同社独自のクリアウオッカとソーダをベースに用いてブレンドした新しいハイボールのお酒となっている。「樽熟ウイスキーソーダ」は、華やかな香りと豊かなコクが特長のアメリカ・ケンタッキー州産のウイスキーを使用し、オレンジピールを思わせる香りと味わいを楽しめる。また、「樽熟シェリーソーダ」はスペイン・アンダルシア地方で熟成されたシェリーを使用し、爽やかなライムを一搾りしたイメージの味わいを実現している。

 パッケージは、世界という言葉の持つスケールを帆船と縦帯で表現し、品質感のある現代的なデザインに仕上げている。また、広告はナインティナインの岡村隆史さんを起用し、テレビCMを中心に、「新しいハイボール」の登場感と世界を旅するワクワク感を強くアピールしていく。

 同社では、1983年以来市場縮小が続いてきたウイスキー市場において飲食店でのハイボールがけん引役となり、家庭でもウイスキーの消費が高まってきていることに注目。また、同社事前調査によると、缶チューハイ・缶カクテル市場で、より“スッキリ”で“甘くない”味覚への期待が向上していることが分かり、同社はこれらの潜在ニーズに着目し、爽快な飲み口をデイリーに楽しめる、全く新しいハイボールの開発に至った。同社では、今回「世界のハイボール」を発売することで、「氷結」シリーズとは異なる独創的なラインアップを拡充し、RTD市場全体の活性化と酒類の総需要拡大を図っていく。

 11月25日に開いた記者会見で、同社マーケティング部商品開発研究所新商品開発グループの大野知法主査は、「酒類市場が縮小する中でRTD分野は成長している。当社としてはRTDを3つの極に分けて考えている。第1極は『氷結』のような果汁系。第2極は『コーラショック』のような清涼飲料系。そして、第3極は今までのイメージになかった素材系で嗜好性の高い商品。今回、投入した『世界のハイボール』がそれにあたり、新たな市場を構築していきたい」と述べた。

 ▽アルコール度数=「樽熟ウイスキーソーダ」7%、「樽熟シェリーソーダ」6%▽容量=350ml缶▽価格=オープン価格▽販売予定数=約110万ケース(250ml缶換算)▽製造工場=キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所、キリンビール岡山工場

 また同社は11月25日の会見で、山田道明営業本部マーケティング部商品開発研究所主査兼商品担当主幹が2009年の概況と2010年の方針について要旨、次のとおり説明した。

 2009年は、生活防衛意識の高まりや夏場の天候不順などで1-9月ではビール系の市場全体で2%程度のマイナスとなった。一方、新ジャンルについては拡大しており、22%のプラスとなった。また、健康志向の高まりから糖質オフやプリン体カットなどの商品が伸び、「キリンフリー」の発売以降、アルコール0・00%商品の市場が拡大した。

 当社においては、定番商品の強化により「のどごし生」が1-9月累計で12・8%と伸び、「一番搾り」は同期で5期ぶりの前年比プラスで着地することができた。また、「キリンフリー」は350万ケースの年間目標を5・5倍以上に上方修正を行うなど、好調に推移した。

 お客さまに価値を伝えるエビデンス・マーケティングを2010年にはさらに発展させ、健康軸で新商品を投入する。「一番搾り」は「ビールは麦100%の時代へ。」をテーマにイチロー選手、松嶋菜々子さんを引き続き起用し、年間で5000GRPの広告を展開する。「のどごし生」は7000GRPを予定している。「コクの時間」は、ヘビーユーザー層から高い支持を得ており、リニューアルによりブランド価値を一層高めていく。「キリンフリー」は、「さらにおいしく」リニューアルしCSR型のコミュニケーションを展開していく。