キリン九州事業方針 健闘の九州・沖縄エリア

2009年02月04日

 【福岡】キリングループ3社は1月27日、福岡市で今年の事業方針を示す会見を開いた。会見には、キリンビール・橋川巧執行役員九州統括本部長、キリンビバレッジ・原耕太郎九州地区本部長、メルシャン・徳江聡西日本副統括本部長が臨席し、九州・沖縄エリアにおける昨年の業績や今年の販売計画、新商品などについて次のとおり説明した。

 キリンビール 同エリアの前年販売実績(前年比)は、▽ビール類総計=2・3%減▽ビール=13・3%減▽発泡酒=3・8%減▽新ジャンル=13・4%増。▽RTD=3・3%増。総計の減少幅は同社全国値(3・3%減)より小さく、特に第4・4半期での回復が著しかった。

 今年の販売目標は、▽ビール類総計=1・1%減▽ビール=8・0%減▽発泡酒=2・5%減▽新ジャンル=7・3%増。▽RTD=6・2%増。手堅く足元を見据えた目標であり、造り過ぎて乱売をしない方針としている。価格から価値への転換をより強固なものとしたい。商品施策では、「一番搾り」「キリンフリー」「淡麗ダブル」を戦略ブランドとする。

 エリア営業活動では、お客様とのつながりを深め、地域密着のさまざまな活動を通じ地域活性化に貢献し、地元のお客様と喜びや感動を分かち合いたい。工場がある福岡での「筑後川・有明海流域の環境保全活動の継続」、北九州での「空き缶基金によるリサイクル活動への協力」、HPを活用した糸島カキのアピールで“福岡の元気”に貢献。他県でも地元食材との連携企画などを継続する。

 キリンビバレッジ 特に「ファイア」の強さが際立った。コーヒー飲料は業界全体で横ばい、うち「ファイア」の同社全国値は2%増、同エリアでは8%増を達成した。ミネラルウォーターでも、業界全体で輸入品が前年割れのなか、「ボルヴィック」が13%増の数字をあげた。前年計は同社全国値を上回る2%増。

 今年の目標は、▽総計=1%増▽生茶=3%減▽午後の紅茶=3%増▽ファイア=9%増▽アルカリイオンの水=1%増▽ボルヴィック=4%増。エリアの特性に考慮した販売体制への変更(チャネル張り付きからエリアフォロー)を行い、福岡県では自動販売機開拓の強化を図る。

 メルシャン(ワイン) 同エリア(沖縄除く)の前年は6%増。うち▽国産デイリー=9%増<構成比34%>▽国産ファイン=6%増<1%>▽輸入デイリー=8%増<46%>▽輸入ファイン=2%減<19%>。

 今年は、お客様視点に立った価値提案と店頭・料飲店でのカバー率と露出の最大化を図り、お客様支持率アップを目指す。商品施策では、チリの「フロンテラ」ブランドの育成を強調。ワイン需要のすそ野を広げるため、「飲み易さ、買い易さ、扱い易さ」を訴求する商品・販促施策を展開する方針としている。