【広島】清酒「千福」三宅本店(呉市、三宅清嗣社長)の生産部技術室に在籍する山根健さん(33)が、「清酒専門評価者」第一号に認定された。「清酒専門評価者」は、清酒に関する官能評価の専門家の育成を行っていこうと独立行政法人・酒類総合研究所が昨年、初めて講習を実施。その中で、基本味とにおいの識別、酸味および甘味の差異の検出、香味強度の順位付け、においの記述とその由来、記述的試験の5つの試験に合格した後、清酒の官能評価に関する経験を証明する申請書とレポートを提出した人を認定している。これまでに4人を「清酒専門評価者」として認定した。
入社8年目の山根さんは技術室で、分析、品質管理を主な業務として行っている。普段の業務から官能評価は行っており、そのレベルアップを図っていきたいと今回、講習を受けた。受講したことで、「自覚を持つようになった。後輩や同僚に官能検査のやり方を伝え、会社全体のレベルアップを図っていきたい。そして製造や貯蔵で、それをどう絡めていけばいいのかも勉強もしてきたので、商品開発などにも生かしていきたい」と話す。
これまで同社では、経験年数などで検査員を決めていたが、今後は、「講習で行ったテストなどを検査員で実施していけば、より検査の精度が高まるのではないかと思っている」と早速、「清酒専門評価者」として品質検査の業務改善に取り組む。
今後の商品開発については、「麹の造りや熟成の管理などをしっかりと行い、飲み飽きしない清酒、旨みのある清酒を開発していきたい。『清酒専門評価者』では官能評価と製造貯蔵を結びつける技術があるということを認定してもらったので、その技術を生かして今までと違うような清酒や市場を活性化するようなインパクトのある清酒を造っていきたい」と話す。