中国5県の酒類業界を所管する「広島国税局」(広島市)は、管内清酒業者の酒造技術を進歩・発展させる平成29年「清酒鑑評会」を開催。審査の結果、70者187点の出品酒のうち「優等賞」に71点を選んだと10月27日(金)発表した。「表彰式」と約100名が出品酒をきき酒する「製造技術研究会」は、11月8日(水)に「広島合同庁舎」で開かれる予定。
同鑑評会は、3部門に分けて「香味のバランスや後味のキレに優れ、技術力が高いもの」を選定。受賞結果は▽「香り」26点(出品67点)▽「味」23点(63点)▽「燗酒」22点(57点)だった。「品質評価」は、官能評価(きき酒)で「予審」9月28(木)29(金)両日、「決審」10月4日(水)に実施。同局の「鑑定官」をはじめ、中国地区の技術指導機関・広島大学・酒総研、清酒・小売の関係者ら総勢30名近くで審査したとしている。
鑑定官室の小山淳室長は、総評の中で「優れた品質のものが多数出品された」と高く評価。例えば香りの部門では「それぞれに上品さや膨らみある味、熟成の旨みで、香味がよく調和していた」とするなど今後は国内だけでなく海外への広がりにも期待をよせた。
同局のまとめによると、「入賞率」は5県全体38%(鳥取27%、島根33%、岡山40%、広島41%、山口37%)で、広島と岡山が4割台をキープ。一方、前年実績が39%(鳥取21%、島根38%、岡山40%、広島45%、山口33%)だったことから、今年は鳥取と山口が率を伸ばした。
各県別の出品・入賞の場数・者数と社名は次の通り。
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【優等賞】
<香りを主たる特徴とする清酒部門>
▽鳥取(4場中2場)=稲田本店、千代むすび酒造▽島根(13場中6場)=吉田酒造、米田酒造、池月酒造、石州酒造、奥出雲酒造、隠岐酒造▽岡山(12場中6場)=宮下酒造、利守酒造、室町酒造、菊池酒造、平喜酒造、白菊酒造▽広島(27場中7場)=相原酒造、三宅本店・呉宝庫、醉心山根本店・沼田東工場、金光酒造?、賀茂鶴酒造・御薗醸造蔵、白牡丹酒造・天保庫、中国醸造▽山口(11場中5場)=金光酒造、中島屋酒造場、山縣本店、旭酒造、酒井酒造
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<味を主たる特徴とする清酒部門>
▽鳥取(3者中1者)=稲田本店▽島根(10者中4者)=吉田酒造、米田酒造、池月酒造、奥出雲酒造▽岡山(14者中4者)=宮下酒造、利守酒造、平喜酒造、白菊酒造▽広島(25者中10者)=久保田酒造、相原酒造、宝剣酒造、盛川酒造、中尾醸造、醉心山根本店、山岡酒造、比婆美人酒造、今田酒造本店、西條鶴醸造▽山口(11者中4者)=金光酒造、中島屋酒造場、旭酒造、酒井酒造
<燗酒部門>
▽鳥取(4者中なし)▽島根(10者中1者)=米田酒造▽岡山(14者中6者)=髙祖酒造、利守酒造、嘉美心酒造、菊池酒造、平喜酒造、田中酒造場▽広島(21者中13者)=久保田酒造、中尾醸造、醉心山根本店、天寶一、三輪酒造、美和桜酒造、山岡酒造、今田酒造本店、賀茂泉酒造、賀茂鶴酒造、亀齢酒造、西條鶴醸造、白牡丹酒造▽山口(8者中2者)=金光酒造、酒井酒造