国税庁「基準の法令解釈通達案」2月28日まで意見募集

2017年02月21日

 国税庁は、「酒類の公正な取引に関する基準の取扱いについて(法令解釈通達)案」および「酒類に関する公正な取引のための指針の改定案」に関する意見募集を開始している。

 公正な取引の基準については、「正当な理由なく、酒類を当該酒類に係る売上原価の額と販売費および一般管理費の額との合計額(総販売原価)を下回る価格で継続して販売すること」および「自己または他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響をおよぼすおそれがある取引をすること」のいずれにも該当する行為を行ってはならないと定め、これらに反して販売することや、取引先に対して合理的な理由なくその取引価格などについて、差別的な取り扱いをすることなどは、「酒類の公正な取引のための指針」に則していない取引に該当するとした。

 酒類を総販売原価を下回る価格で販売する場合における「正当な理由」とは、①季節限定商品などで通常その販売が見込まれる時期を過ぎたもの②賞味期限まで期間が短いもの③ラベルや容器などに損傷があるもの――などと示した。

 「継続して販売する」とは、相当期間にわたって繰り返して販売することを言い、毎日継続して販売することや酒類について同一の銘柄などを販売することを必ずしも要しない。毎週、毎月、隔週、隔月で、週末や特定の日時に限って、商品、銘柄などを変えて販売する場合であっても一連の販売行為としてとらえ、「継続して販売する」に該当する。

 また、①年度末などに事後的に額が判明するリベート②裁量的に支払われるリベール③酒類の仕入れの際に添付される他の商品④広告費や販売活動の補助として支払われるチラシ協賛金、出店協賛金など⑤取引の一方の当事者の認識がないまま取引の当事者以外のものから他方の当事者に支払われるもの――は、酒類の仕入れに係る値引きとはみなさない。

 酒類小売業者が酒類を販売する際に、販売価格の一部または全部の減額に充当できるポイントなどを提供する場合、①ポイントなどを利用する消費者の割合②ポイントなどの提供条件③ポイントなどの利用条件――といった要素を勘案して、ポイントなどの提供が値引きと同等の機能を有するかどうかを判断することになる。

 質問検査権では、調査対象に当該酒類業者の持株会社や取引のある金融機関、運送業者、料理飲食店なども含むとされた。
 意見は2月28日まで受け付けている。