財務省貿易統計によると、昨年一年間の清酒の輸出数量は合計で1万9737klとなり前年同期の1万8180klに比べて8・6%の増加となり、過去最高を示した。清酒の輸出はこの10年間で2倍にまで増加しており、国内需要とは反対に好調な推移が続いている。また、輸出金額は155億8106万円となり、前年の140億1121万円に比べて15億円増加(11・2%増)となるなど金額ベースでも過去最高を記録。10年で2・5倍に膨らんだ。
清酒の輸出は、前年のリーマンショックによって世界経済が大きく落ち込んだ2009年以降、
7年連続で数量を伸ばしている。(なお、東日本大震災後の原発事故の影響で各国が輸出規制を実施した2011年も数量、金額ともに前年実績をクリアしている)
数量ベースの輸出先上位国では、▽アメリカ=5107kl(6・9%増)▽韓国=3695kl(9・7%増)▽台湾=2096kl(0・8%減)▽中国=1910kl(21・1%増)▽香港=1877kl(7・6%増)――となり、台湾のみ前年を下回った。上位5カ国が輸出全体に占めるシェアは74・4%となった。
また、金額ベースの輸出先上位国は、▽アメリカ=51億9614万円(4%増)▽香港=26億3011万円(15・3%増)▽韓国=15億6201万円(14・5%増)▽中国=14億4928万円(23・6%増)▽台湾=9億3110万円(4・7%増)――となり、金額ベースでは上位5カ国すべてで前年を上回ったほか、香港、韓国、中国では2ケタ増と好調に推移した。金額ベースの上位5カ国のシェアは75・5%となる。
上位6位から10位では数量ベースで、▽カナダ=4・2%増▽シンガポール=16・4%増▽タイ=8・5%減▽オーストラリア=14・3%増▽ベトナム=14・9%増――となり、タイのみ前年実績を下回ったが、金額ベースでは、▽シンガポール=14・3%増▽カナダ=10・5%増▽オーストラリア=16・7%増▽ベトナム=15・6%増▽タイ=4・4%増――と、すべての国で前年を上回ることになった。