香川県酒造組合 総会と全体会議 

2016年12月07日

 【香川】需要開発の促進などに取り組む香川県酒造組合(西野信也会長)は11月21日(月)、第35期「通常総会」を高松市古新町のリーガホテルゼスト高松で開き、平成27年度9月期「事業報告」など全議案を可決承認した。香川県酒造協同組合とあわせて「全体会議」もあり、すでに開発を進めている「オリーブ酵母」について報告・検討をした。

 「総会」には、組合員のほか役員・幹部をはじめ、「高松国税局」から山岡洋酒類監理官や鑑定官室の佐藤泰崇室長らが出席。「役員改選」では、専務理事を務めている山西靖彦氏が退任するのに伴い、高橋稔氏の後任を決めた。組合員は、岡田酒造(國粋)が退会して6者になったという。

 今後の事業日程については、▽第5回「四国×酒国2017」を来年・平成29年5月28日(日)に今年と同じく大阪・西梅田スクエアで計画▽これに先がけ同年1月11日(水)は「国税局などへのあいさつ」「四国支部会/同県酒造会館」「新年賀詞交歓会/リーガホテルゼスト高松」などを予定していることを報告した。

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 西野会長あいさつ(要旨)

 ▽人口減や高齢化、若者のアルコール離れがあり、これまで3合を飲まれていた方が1合になったりしている。地元だけでなく全国や海外へと販路を広げる必要があるが、香川県ならではの特徴あるお酒を目指さないといけない。

 ▽みなさんの協力で、香川県独自の酒米「さぬきよいまい」が出来た。さらに酵母もオリーブから出来ないかと始めた。無謀なチャレンジかもしれず、栗林公園の松などもあるが、当県なら全国的にもオリーブかなと思う。

 ▽取りかかったばかりで、1年で出来るのか10~20年かかるのか分からないが、当県独自のモノを目指すのは大切だ。

 ▽現在、当組合もかなり苦しい。若手の愛醸会にも少し縮小して減らして欲しいと要請しているので、ぜひ皆さんも出荷を増やして盛大な活動が出来るようにして頂きたい。

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 【オリーブ酵母について】

 ※全体会議で報告された主な内容は次の通り。

 ▽「かがわ産業支援財団」の助成金で、総事業費は90万円。うち90%の81万円が「香川県産業技術センター」への開発委託費だ。ただ助成金は、申請件数が増えたことから当初予定100万円の3分の2に減らされて66万7千円になった。このため当組合の負担金は、総事業費から差し引いて23万3千円(当初予定25万円)となる。

 ▽「香川県産業技術センター」(担当・オオニシ氏)との契約は、先方の都合で10月末と来年3月末の年2回。委託費の半額40万5千円ずつを分けて支払う。同契約書第20条に秘密保持があり、「県外で使われては困る」と言われている。当面は年内に1度、小豆島へ行って開発・進捗状況を確認する。

 質疑応答

 「当酵母開発事業は2年目以降、製品開発を除いて再度補助金をもらえないが、『香川県産業技術センター』に設備が残るため追加費用なしでやってくれると口頭では了解を得ている」

 「酵母開発や清酒指導の機関は、他県と違って香川県にないため、これを機会に清酒専用などの酵母をつくる人材を育てる必要がある。まずい酒の酵母が出来ると話にならないが、同センターは『試験醸造』の免許も取得しているため、そこまではやってくれる」