キッコーマン食品 大阪で事業方針説明会

2016年03月24日

 【大阪】キッコーマン食品は3月10日、「2016年度しょうゆ・つゆ事業方針」説明会を大阪市北区の帝国ホテルで開催し、西日本の流通関係者90人が参加した。

 冒頭あいさつでキッコーマンの堀切功章代表取締役CEOは、「当社の3月期決算は、国内・海外ともに増収となった。国内の売上は利益面が改善され、成長につながった。これを支えたのが、醤油の『いつでも新鮮』シリーズだ。2010年の発売以降、いつでも新鮮な醤油を味わってもらえるという、新しい価値が提供できたことが好調につながっている。従来醤油は、店頭では価格訴求に頼る商売をしてきたが、同シリーズの登場により、価値を提供することにつながった。今回は、従来の醤油と同じく価格訴求型の商材となりつつある『濃縮つゆ』に関しても、『いつでも新鮮』シリーズと同様の取り組みを行う。『価格』から『価値』訴求で、利益の取れる商品に育成したい」と商品の価値訴求を強く訴えた。

 続いてキッコーマン食品のプロダクト・マネジャー室つゆグループ担当マネジャーの福田大悟氏は、2016年の事業方針説明を行った。

 事業方針説明では、「いつでも新鮮・生しょうゆ」シリーズについて、コンセプトを「顧客価値の追求~価格訴求から価値訴求へ~」として、①現代の嗜好に合ったライト感覚な生しょうゆ②開栓後もしょうゆの酸化を防ぎ新鮮さを保つ③押すと出る、戻すと止まる、今までにない使いやすさ――という商品特性を改めて説明した。さらにしょうゆ事業の中期方針について、「『キッコーマンしょうゆ』や『特選丸大豆しょうゆ』などはボリュームを維持しつつ、『いつでも新鮮』シリーズは高付加価値(高単価化)の商品として展開を図る。さらなるおいしさの追求や潜在ニーズの掘り起こし、容器確信による価値提供などで、革新と新需要の創造を図り、日本人にとってなくてはならない調味料・ブランドであり続ける」と強調した。

 また、濃縮つゆ事業については、濃縮つゆ市場が醤油と同様に価格訴求型の商品として低迷していることを訴え、「使用量の世代間ギャップや世帯構造の変化、ライトユーザー層の拡大や生活者の価値観の多様化など、市場環境の変化を見据え、シーン拡大と中容量の活性化を図る」と中期方針を説明した。その上で商品施策について、スタンダード(ボリューム獲得)は「濃いだし・本つゆ」、付加価値つゆ(高単価化)は健康機能の「だししっかり・減塩つゆ」とプレミアムの「だし香る・贅沢つゆ」と、醤油と同様に2極化を図る体制を示した。

 さらに「提案メニューの紹介」として、大和学園・京都調理師専門学校の仲田雅博校長を招き、「濃いだし・本つゆ」「だししっかり・減塩つゆ」を使用した「京のおばんざい」レシピの紹介を行った。